「獣の柱 まとめ*図書館的人生 下」 北九州芸術劇場 中劇場

teru10162013-06-09

14時〜 4200円
作・演出 前川知大

図書館的人生の下ってあるけど、テーマだけが同じなのか? 上と作り方も内容も全く違うものだった。

2096年の高知県、風輪町。お柱様を拝む一家三人から物語は始まる。祭司が幕を一瞬開けると神々しい光が射し、固まってしまう。
幕を閉じると幸福感にあふれた家族が溶けだす。息子の亘だけちょっと変だ。。 
その亘を町長の森永と歴史資料館の室長、山田は救世主として扱う。その説明は2008年までさかのぼる。
当時この町に落ちた隕石を拾った二階堂はそれに恐ろしい力があることが分かる。
そしてその一年後に人口の多い都市部に巨大な柱が次々と落ちてきた。幸せな気持ちと危険な状態を繰り返し。
全く隕石と同じ力があることを知った二階堂は妹の桜や山田(前出山田の曾祖父)となんとかしようと試みる。
そうしているうちにも柱は次々と落ちてきて、過疎地に移動した人たちがある一定以上になるとそこにも落ちてきた。
科学的に解明できず、柱と共存することしかできなくなり、1世紀近くたったときに亘のように、柱の影響を受けない「柱が見える者」
が現れ出した。。。。

これがイキウメだ〜というくらいイキウメな話だった。怪しい麻薬的な力を持つ隕石、そして大きな柱。
まだ隕石まではなんとかなっても巨大な柱って。。SFを超えているわw 
隕石マニアたちの心境はわからなくもないけど、柱ってね〜。。ちらしの謎がようやく解けた。
もしこれが現実に起こりうるのならば国家的案件になるだろう。あ、そうでもないのかな。。
今でも地域の災害に関して行動が遅いしね。
私は一極集中化している人口問題に一石を投じる作品な気がしたのだけど。 過疎化、集中化の日本はいろんな意味で問題になっているから。
それから自給自足が大事だという警告。安井さんの「百姓で良かった〜!」というセリフは身に沁みるものがある。

役者さんが上手い!浜田さん伊勢佳世さんは鉄板だけど、安井さん良かった〜〜〜曾祖父と曾孫の二役で知的な遺伝子がすごく表現されていたと思う。
客演の池田さんもおそらく末期がんの妻を持つ男、って設定なんだろうな。感動した。
岩本さん、盛さん、森下さん、大窪さん、加茂さん、それぞれにはまりの役で、前川ワールドを堪能。
2008年でも2096年でも変わらない、世界への愛情、肉親への愛情。そして未来への希望。
テーマがとてつもなく大きいイキウメの、そして前川さんの作品だった。