「六月博多座大歌舞伎」 博多座

teru10162013-06-12

16時45分〜 5000円 松竹

六月博多座、夜公演。ってこの開始時間ってどうなんだろう? まあ4時間超だから仕方ないね。

☆小栗栖の長兵衛(おぐるすのちょうべえ)
秀吉と明智光秀の決戦で敗北した光秀が実は小さな村の嫌われ者の百姓の竹やりで致命傷を負って自害したという調子のいい話し。
大酒飲みで、乱暴者、ずるがしこいばくち好きな長兵衛は村中の嫌われ者。人のいい父親や妹夫婦には心配をかけてばかり。
今日も今日とて馬泥棒をはたらき、ひたすら謝る長兵衛の家族。そこへ当の本人登場。逆切れして暴れる長兵衛をす巻きにして全員で
殺すも止む無しと思ったところへ秀吉の家臣が現れ、光秀に深手を負わせたのが長兵衛と判明。うって変わって長兵衛をたたえるみんな。
苦笑するしかない。ご機嫌で秀吉のところへ向かう長兵衛。 というところでおしまい。
あの終わり方はなんともあっけない感じはしたけど、長兵衛役の中車丈はさすがに演技で魅せるな〜と感心。
盗んだ馬の視線が注目ポイントであることを何度もイヤホンガイドで聞いたけど。。。よくわからなかった^^;

☆口上
二代目市川猿翁、四代目市川猿之助、九代目市川中車、3人の襲名披露公演ということで総勢11名の祝辞を聞く。
3人との関係やこれからの期待を込めてのお祝いのことばは心がこもっているなぁと思う。
残念ながら猿翁丈は体調不良のため、休演されていたので、猿之助丈、中車丈からのあいさつの中でその思いが伝えられた。
去年から歌舞伎界に訃報が続いているので、猿翁丈にはくれぐれも無理をされないで欲しい。引退も止む無しではないだろうか。

☆楼門五三桐(さんもんごさんのきり)
天下の盗賊、石川五右衛門は実父の宋蘇卿や育ててくれた武智光秀の仇となる真柴久吉と南禅寺楼門で出会う。
火花飛び散る見得の張り合い。「天地の見得」というらしい。
上演時間わずか数十分の狂言である。
絢爛豪華な南禅寺の様子や、派手な衣装。桜の舞い散る様は華やかでうっとりする。
聞いたことのある。。「絶景かな、絶景かな」「浜の真砂は尽きるとも世に盗人の種は尽きまじ」
童話のように耳に入ってきていたのかもしれない。
中車丈の五右衛門と右近丈の久吉は、やはり右近丈のほうがより歌舞伎的だな〜と思ったのは素人の感想です。汗

義経千本桜 川連法眼館の場(かわつらほうげんのやかた)
四段目の最後、通称「四の切り」と呼ばれるこの場面はとても人気のある場面のようだ。
都落ちした源義経は川連法眼の館に匿われている。
従者の佐藤忠信に愛妻の静御前を守護を言い渡してきたのだが、再会の折りに実はこの忠信が源九郎狐の化身だったことがわかる。
静御前が持っている「初音の鼓」の皮に使われたのが源九郎狐の両親であり、恋い慕うあまりのことだった。
話に感動した義経は鼓を源九郎狐に与える。大喜びの狐はお礼に義経の敵を妖力でなぎ倒し去っていく。
本物の忠信と源九郎狐を猿之助丈が一人二役、あまり絡む場面はないのだがその違いは際立っていた。
そして源九郎狐の愛らしさがたまらない。鼓を打つとどこからともなく現れる様子や鼓に頬擦りする様。
狐手で飛び回り、可愛い声を出す。白い毛がふわふわの衣装でまさに狐。
セリフはほとんどわからなかったのだが、ストーリーを読んでいたのでだいたいの見当をつけられた。
英語を聞くように、わかる単語を拾う作業だ。イヤホンガイドもポイントしか教えてくれない。

それにしても歌舞伎は余韻が残るし、パンフレットも読み応え十分で長く楽しめる。
ネットで調べると過去の動画も結構みつかる。これは今の猿翁丈の源九郎狐です。(1992年)
http://www.youtube.com/watch?v=IqrshLnwP0M

襲名披露ということで華やかな演目満載で実に楽しかった♪
香川照之さんの歌舞伎界入りでいろいろ邪推や憶測も飛びまわったが、猿之助丈、中車丈がお互いに盛り立てていくのが一番。
ということで(^^)v