「流れんな」 ぽんプラザホール

teru10162013-07-05

19時半〜 2500円 iaku
作・演出 横山拓也 
キャスト 睦美:峯素子 サツキ:橋爪未萠里 司:緒方晋 カケル:酒井善史 駒田:北村守

横山氏は「エダニク」で日本劇作家協会新人戯曲賞を受賞。
さらに「人の気も知らないで」でせんだい短編戯曲賞大賞を受賞と勢いのある演劇人だ。
作風は口語調で、登場人物は私たちのまわりにどこにでもいそうな感じがする。
今回の「流れんな」のちらしはかなりインパクトがあって、頭の上にトイレって。。。
しかも若い女性ってのがびっくり。

港町クズオの小さな食堂、「とまりぎ」は父娘で経営しているが父親が入院して現在休業中。
睦美は、ホクワンフーズの社員駒田とおさななじみの漁師司と3人でイベントの話し合いの最中、
そこへ結婚した妹サツキが夫カケルと一緒に帰ってきた。
姉と妹は歳が離れていて、母の思い出を始めいろんなことへの相違があり、言い争いが続く。

姉妹を軸として、駒田と司の三角関係や、タイラギの貝毒の問題、サツキの妊娠、カケルの実験、
生体肝移植。。。などなどさまざまな問題を提起していく。
舞台は「とまりぎ」の中。精巧にできていてすごい。中央奥のトイレがリアル過ぎてちょっとひくけど。。
トイレと死体って今まで何度か舞台で観た。和式だともっと恐いよー

関西弁の会話が巧みでとにかく役者さんが上手い。どんどん引き込まれていく。
この姉妹の対立が結構重くのしかかってきたけど、基本は憎みあえないのだから心の奥底では安心してみているかも。
駒田の情けない感じやカケルの優秀さも良かったけど、司の素朴でちょっとおまぬけな笑える演技がとても良かった。
海洋汚染の話についてはなんとなく東北の原発被害を思い出したのだけどアフタートークで特に意識したものではなかったようだ。
自分に一番近い人に感情移入するというが、私はこの姉でも妹でもないな〜

トークは横山さんときららの池田さん。池田さんのあふれる思いが聞かれて本当にいい作品だったと実感。
また来てほしいな〜 ぽんプラザホールにぴったりのお芝居だった。