「四畳半の翅音」ぽんプラザホール

teru10162013-08-18

14時〜 1800円 演劇集団非常口
作・演出 島田佳代

鹿児島の劇団、そしてここの主宰の島田佳代さんはこの作品で第二回九州戯曲賞大賞に輝いた人だ。
受賞したことがきっかけであちらこちらに旅をすることになったこの作品。私たちにとっても幸いだ。
すばらしい劇団とすばらしい作品を観ることができた。
ちらしに詳しいあらすじが書かれているのでなんら迷うことなく真正面から芝居を観た。

胸糸病という不治の病が流行した九州、感染者は強制収容されて別区域に住む。
その区域の近くにあるアパートに行方不明の弟純平を探しに響子が入居する。
同じく人を探している日菜子。探し人はどこに?胸糸病との関係は?

そのあらすじを読むだけでなんとなく展開がわかるし、行方不明の結末も驚きのものではなかった。
だけどそうなったに至る過程をそれぞれの登場人物の立場から切り込んでいく。

演技の拙さとか鹿児島弁の難しさという問題点はあったけど、それを補う臨場感があった。

犯罪に深い事情がつきもの、つい情にほだされてしまうことはあるかもしれないけど、
やはりいろんな人の立場から考えるようにしないとね、と自分に言い聞かせる。

じんわりと心に沁みる作品でした。