「遡行 変形していくための演劇論」福岡市赤煉瓦文化館

teru10162013-08-21

19時〜 演劇書を読む会

今回は今注目のチェルフィッシュ主宰、岡田利規著の「遡行」
チェルフィッシュの「今」から順々にさかのぼり、その旗揚げのときまでを語り、
その時々の想いをそのときの書き物などから抜粋してそれに自分で寸評を加えていくという
おもしろい手法。 たぶん全ての作品に言及している。

福岡で初めてチェルフィッチュを観たときはすごい驚きだった。
なんだ?この表現って??? 今まで観てきた演劇を根本からひっくり返すような斬新な舞台だった。
それが「三月の5日間」 平田オリザ氏の現代口語演劇をさらにパワーアップしたようなこの作品。
実のところ、わかる人のほうが少ないのでは、とくらい思っていた。
しかし、世の中の流れには逆らえない。 あっと言う間にトップ集団に躍り出た岡田氏の
活躍の様子がこの本には淡々と描かれている。
公的な場所しかり、海外しかりである。

その素直な性格が非常に幸いして控えめで地味な感じがするのに、
他との共同制作をいとわないところがこんにちの岡田氏を形成しているようだ。
たとえ永久に分かり合えないものとのコラボであっても、ほんの一部の成果に心寄せる。

そのときどきの想いや考えを実に素直に隠すことなく語っていることに好感を覚える。
すごい人だ。
今は住居は熊本に移して日本中、世界中をまわっているみたい。
まだ進化を止めない彼に期待大である。

次回の課題本はキャラメルボックスの天才制作者、加藤昌史氏の「拍手という花束のために」
読みやすいらしいので皆さん、読んでみませんか?(^^)