「大つごもり」 天草市民センター

teru10162014-02-16

14時〜 1000円 天草演劇愛好会

原作:樋口一葉 脚色・演出・出演 金田公広 

天草出身の金田さんは昔前進座でお芝居をされていて、今はたまにここで公演を打つくらいだけど、
なんだかいつ話を聞いても芝居に対する情熱の残り火があるような話をされる。
素人の私の感想にはいつも苦笑いを浮かべる彼なのだけど、私は私なりの観かたでいいと言ってくれる。
そんな彼がちょっと欲を出せる場がここ天草演劇愛好会。

今回は樋口一葉の名作を4人で行うというおもしろい試み。福岡組と銘打っていたので全員福岡在住かと思う。
一人数役をこなさなければならないのだが、主役のおみねを山下真心、石之助を永野祥子、その他大勢を松本利華、金田公広が演じた。
ト書き部分や一部の演技ををリーディング形式にしたのは場面の説明をわかりやすくしたためか。
まず登場人物とその関係を大きな紙に書いて貼っている。これ後ろのほうからは見えないんだろうな〜
そして登場人物の名前を書いた椅子にその人物の特徴を思わせる小道具が置かれている。ショールやねじりはちまき、カチューシャなど。
最初は妙な感じだったけど進むうちにわかりやすい演出なんだと思った。
複雑な人物相関図もこれらの工夫でわかりやすい。さすが金田さんの演出だ。

子どもの三之助はなんと実物大の絵で間にあわせた。
おみね役の子はまだ学生らしいけど、すごく上手だった。おみねの心情の変化や、昔の奉公人のしぐさや考えが極々自然で
着物のたすき掛けなどスムーズで粋な感じだった。
何役もこなしたほかの役者さんもかなり良かった。これが1回きりの公演なのが残念。誰か福岡に呼んでくれる人(団体)はいないかしらん。。。

第一部の「赤と白」も脚本としては悪くなかったけど、ツッコミ部分も多いし役者さんもちょっと素人過ぎる感じはあったのでここではあまり語りませんw