「血の家」 西鉄ホール

teru10162014-04-26

19時〜 共通チケット 劇団HIT!STAGE × 14+

作:森馨由(劇団HIT!STAGE) 演出:中嶋さと(14+)

福岡演劇フェスティバル参加作品。
劇作家協会の新人戯曲賞の最終候補まで残った作品。
森さんの作品はいつも濃厚でちょっぴりSFを入れつつもがっつりリアルなドラマです。

いいな、この舞台。中央に布団、枕元に祭壇、骨壺の用意。
四方に柱(なぜか長さが違う)上方からレース風の垂れ幕。
上手に黒電話と2階へと向かう階段。
シンプルだけどすごく状況を示している。

異母姉妹の4人はそれぞれに深刻だ、元凶となる父親が死んでやっと家に戻った長女淳子(真島クミ)
何もしない後妻のなずな(下村結香)に憤るがあきらめて淡々と葬儀を手配する。
17年ぶりに会った妹、乃理子(徳留春菜)は事故で少しおかしくなっている。
夏帆(朝長舞)はなぜか託也(村上差斗志)と結婚したようだけど様子が変だ。
嫁いだかのか(森タカコ)は夫、丞清(手島曜)とやはりうまくいってないような。。いるような。。

血の繋がった家族がこれほど悲惨だとはやりきれない。
確かにここまではなくても、実際の親子兄弟でもお金とかが絡むと悲惨にはなりがちだよな。
跡継ぎとかの問題はさらに深刻。実際私も考えねばならない年代になってきたし。
お寺やお墓の話になると憂鬱。おっと・・・

とまあ、こんな重いテーマだったけど、笑ったり、ほんわかしたりするシーンが結構あって慰められた。
特にかのか、丞清夫婦はすごく、楽しかった。夫婦っていろいろあるんだよね。
乃理子は可哀そうだったし、死体に寄りそうシーンはなんとも言えなかった。
ああならないと自分を保てなかったんだろうな。。
亡くなった暴君の父の声(美和哲三)は存在感があった。さすが美和さん。
死んだ乃理子の母親が降りてきたりと多彩な演出だった。
しかし、淳子が斧を持ってきたときは驚いた。そこまで憎しみって募るのだろうか。。ガーン

細かい部分も丁寧に作られていて、いい作品に仕上がっていた。
韓国公演もあるそうだ、頑張って欲しいな。