「胎内」 西鉄ホール

teru10162014-04-29

18時半〜 共通チケット ノアノオモチャバコ

原作:三好十郎 脚色、演出:寺戸隆之

福岡演劇フェスティバル公募枠作品。
ダンス公演かと思っていたら全然違っていた。三好十郎の世界を舞踏で見せるのかなと。
3人の役者が戦後の時代を思わせる衣装や言葉使いで洞窟の中へと誘う。
それからパーカッション奏者が二人、見た事がないいろんな楽器や小物を駆使して、素敵な音を紡ぐ。
アンサンブルが数名いろんな動きを見せる。時には激しく時にはスローモーションで。

山奥の洞窟に、汚職事件(?)をおこした花岡(佐野功)と愛人村子(吉田有希)が逃げ込む。
そこには兵隊の生き残り、佐山(生野和人)がいた。
地震で入口がふさがれたのちの食べ物、水、空気が徐々に減っていき恐怖を感じる3人。
助けはくるのだろうか。

シンプルなストーリーをアンサンブルやパーカッション、時代がかったセリフ等で見せる。
これは結構わかりやすい。ちらしのおどろおどろしさにちょっと引き気味だったのだけど。
心理状態が状況によって刻々と変わるのがおもしろい。人と人の関係はあっという間に逆転するものだ。
たばこを吸うシーンが結構多いのがこの時代の特徴。実に効果的で良かった。
賛否両論でしょうけどね。
村子は水商売の女らしく色気があった、パンストでなくガーターベルトのストッキングが良かったかなw
舞台上舞台にしたわけはラストで分かった。一気にひらけた感じがアングラを思わせる。

アフタートークは演出の寺戸氏と出演の佐野功氏と非・売れ線系ビーナスの田坂氏。
古典と斬新な演出に話が弾む。まだ若い寺戸さんだけど、力強いなぁ。
薄暗い舞台では憎々しい感じの花岡を演じた佐野さんは明るい所で観ると笑顔の可愛い好青年。
このギャップには驚く。 田坂さんも参考になったような感じだ。

演劇フェスティバルも後半へと向かう。