「飛龍伝 2014 鬼才・つかこうへいの遺した者たち」 イムズホール

teru10162014-08-03


13時〜 4000円 北区 AKT STAGE

つかこうへいの作品は舞台やテレビ、DVD等いろんなところで観てきた。
一番最近でWET BLANLETの幕末純情伝。 どれも熱いんだよね〜
現代のちょっと醒めている若者に伝わったらうれしいね。

私は初めてイムズで観た熱海殺人事件の「売春捜査官」バージョンが一番好きだ。
黒谷友香が伝兵衛役をやったものだけど、数年で2回きてる。

さて飛龍伝、原作を読んでないけれど、このちらしからあの時代の話だなと想像できる。
ちょうど思春期あたりの私たちの年代には、そのころの大人が眉をひそめるような学生運動家はヒーローだった。
かっこいいなぁというイメージがあった。実際はどろどろの世界だったようだけど。

オープニングアクトでは地元のWET BLANKETが次回公演「神威」のさわりを披露。
抜粋した部分で主要な登場人物とストーリーを紹介した。
殺陣も見せてくれて、なかなか宣伝効果は高かったと思う。
隣りのご婦人方が「若いけどおもしろそうね」と話しているのが聞こえた、ふふ。。
10月になんと7〜31日のロングラン敢行! そろそろ予約しなくちゃ。。
http://wetblanketof.kan-be.com/


本編。。東大出身の神林美智子(稲垣里紗)は全共闘の委員長に祭り上げられ、同士の桂木順一郎(時津真人)と恋愛関係になったが、
仲間の慰安婦的なこともさせられ、スパイ役として彼女に惚れていた機動隊のリーダー山崎一平(相良長仁)の元に送り込まれる。
知ってか知らずか一平は神林に情報を漏らす。。。 

全共闘の表面的なことしか知らなかったけれど、この芝居ではそれにかけた情熱の元がどこにあったのかはやはりわからなかった。
反対することは何でも良かったのだろうか。学生たちの熱いポリシーは理解しがたいものがある。
特に神林自身が委員長としての責務のためにあれこれ動かされるのも、その時々で恋愛感情がうつろうのも、
神林自身の選択とは思えない部分が多い。流されているだけのようにも見えるが。。。
それに比べ、桂木、山崎の一本気は見事だった。卑怯さや卑屈さを露呈しながらも最後にたどりつくところが自分の信念。

まあ、そういう難しい解釈は別として、熱い部分と泣かせる部分とギャグで笑わせる部分があちこちにちりばめられていて、
ほっとしたり大笑いしたり、派手な舞台であった。かっこいい役者が汗や鼻水をまき散らして叫ぶ姿は胸に響くものがあった。

最後に「蒲田行進曲完結篇 銀ちゃんが逝く」の福岡公演のビデオ上映会があったのだけど、次公演があったので後ろ髪をひかれつつ退散。

北区つかこうへい劇団解散のちに設立したという北区 AKT STAGE、つかこうへいを遺すという使命感を持ってこれからもつか作品に挑むのだろう。