「となりの田中さん」 ぽんプラザホール

teru10162014-12-12


19時半〜 1500円 劇団Hall Brothers

脚本・演出 幸田真洋

九州戯曲賞、大賞受賞おめでとうございます!
こつこつと頑張ってきた幸田さんがやっと認められた感じでうれしいですね。
もちろん賞というのは応募しないと受賞できないものだし、
賞に無関心な数々のすぐれた演劇人も多いのだけど、
芸術でもスポーツでも競い合って周りに認めてもらいたいというのは
自然の感覚なんじゃないかなと私は思う。

だから素直におめでとう!これでますます彼の意欲が高まることを期待します。

さて、田中さん、これは比較的内容を覚えている作品。
わかりやすい構成だったし、自分に近い人や激しく遠い人もいた。
初演とほとんど変わりない演出だったと思う。
フェイスパックはなかったような・・・

4組の夫婦が住むアパートは全員が「田中」そういう偶然もありかもしれないけれど、
それよりこの内容が面白い。 夫婦って全部違うって言われるけど確かに自分の周りだけ見ても違う。
上手く続くところもあれば早々に壊れるとこもある。さまざまだ。
本当はそれぞれの夫婦の成りたちも詳しく綴りたいところだろうけど、
時間制限もあるので、おおまかなところであとは想像にまかせるというところか。

役者さんは半分以上が若手で最初のころに比べると本当に上手になったな〜と思う。
それをひっぱっているのが幸田さん、萩原さん、宮坂さん。

初演のときも思ったけど、カツミ役の高柳さんがやっぱり目立つ。
DVの話は本や実話でも聞くのだけど、どうしても想像ができなくて、恐さが先立つ。
隠れDVとか逆DVとかも山ほどいるらしい。 お互い大人なんだから
子どもの虐待よりもなんとかなりそうな気がするんだけど、そう単純にはいかないようだ。

お互いを尊重しつつも自分の意志を持っているのが一番理想的な夫婦なのかな。
房子さんが言うように「普通が一番」なのかもね。物足りないけど。

親に電話をするシーンが多くて(無心であっても)親孝行な幸田さんを感じた。

アフタートークでは大塚ムネトさんがゲストで出席。
これがまあツッコミ満載で面白かった!
同じ演劇人としての苦労を共有しつつも先輩として叱咤激励をするムネトさん。
こういう繋がりが嬉しいんだよね。

ロングラン、最後までガンバって!

キャスト
萩原あや
宮坂幸子
坂井操
永倉亜沙美
高柳一輝
山下大貴
唐島経祐
幸田真洋