「伊達の十役」 博多座

teru10162015-02-25


10時半〜 5000円 二月花形歌舞伎

市川染五郎丈の早変わり十役、噂に違わず素晴らしい舞台だった。

1時間前に家を出たのだが電車の待ち時間が長くて劇場に入ったのは5分前だった・・
イヤホンガイドを借りる暇もなく着席。ストーリーすら全然わかってない私は不安このうえない。
幸い一緒に行った友達がこの話は熟知してるとのことでイヤホンガイドを貸してくれた。
良かった〜〜〜〜

まず口上にて染五郎丈が10枚のキャストの写真とともに結構詳しく解説をしてくれた。
すごくわかりやすくて助かった。

とは言っても書くとなるとかなり長くなりそうなストーリー^^;
私の乏しい記憶力もあるから本当にざっとだけ。

足利家の当主、足利頼兼を廻ってその敵方と味方のさまざまな人達のとても面白くて感動的なお話し。
うわっ。。一行かよ。。

敵方の仁木弾正は悪人ながら旧鼠の術を使いこなし大立ち回りで派手な役柄。
かなり出番は多くて、ラストの与右衛門、外記左衛門、民部之助との戦いは見ごたえがあった。
お約束の大きなネズミは期待どおりだった(笑)

どの場面も面白かったのだけど、一番心に響いたのは鶴千代と千松(両子役)が乳母政岡の諌めで
食事制限させられていて我慢している場面と、政岡の子の千松が主君頼兼の息子の鶴千代をかばって
毒菓子を食べて苦しんで死ぬ場面、それを母政岡が「でかしたでかした」と涙ゝで褒める場面。
主君を守る立場と母の立場をきっぱり分けた政岡には驚く。今ではありえない。

あとはいつもながら女方の美しさ。若い高尾太夫や京潟姫、累はもとより、政岡をはじめ
仁木弾正の妹八汐、栄御前らの恐さや気高さには恐れ入る。

勝元の正義の裁きもすかっとした。現代の裁判官もそうであってほしいものだ。。。

ストーリーの分かりやすさと染五郎丈の早替わり、立ち廻り、宙乗り、等々の魅力で立ち見客もいたね。
最近は3階席が定席となりつつあるけれど、十二分に満喫できた。歌舞伎はおもしろいし観ていて高揚感がある。
はまる。

染五郎丈の10役
赤松満祐 仁木弾正 土手の道哲 足利頼兼 高尾太夫 乳母政岡 荒獅子男之助 絹川与右衛門 腰元累 細川勝元