「エッグ」 北九州芸術劇場 大ホール

teru10162015-04-19


13時〜 9800円 NODA・MAP

作・演出 野田秀樹

予定が立たなかったので前売りを買えなかった。
行ける日程にはなったけど到底当日券などとれないとあきらめていた。
なんと北九州芸術劇場では当日オンライン予約ができるというではないか!
これだったらチケットを確保した上で劇場に行ける。スバラシイ〜〜
そして運よく当日券をゲットしてルンルンで小倉へ〜
おまけに端の方ではあったけど5列目でいい席だった。双眼鏡の必要すらなかった。

2013年からの再演。いろんなメッセージ性の込められた作品だったと思う。

寺山修司の未発表作品の中に入り込んで、なぜか内容が書き換えられていく。
その中では「エッグ」という不思議なスポーツが存在していて、
卵を割らずに中身を取り出すという。しかし、具体的な描写はなくて、
その様子はまるでアメフトの試合を感じさせるものだった。

新人選手で脳天気な阿倍は、元リーダーの粒来に憧れる歌手、苺イチエを強引に口説き結婚する。
母親がチームのオーナーであることからも政略結婚でもあった。
消田監督と選手は必死で頑張るもオリンピック出場には届かない。。

こう書くとまるでアスリートの話のようだけど、実際は隠された意味があった。

日本でなくて満州が舞台、エッグはスポーツではなく戦時中の満州で行われていた細菌兵器の人体実験、
オリンピックも開催されなかった年の話。 暗く隠された日本の過去の話を華やかな表現で暴露したものか。
当時の隠蔽体質は現代にも通じるものがあってぞくっとする部分も。

ただ、平川(大倉孝二)やお床山藤井隆)らの明るさやひょうきんさ、ギャグに救われる。アドリブもあった?
エッグのユニフォームがナースのユニフォームになってしまう。吹き出す。でも意味はあるみたいだけど。。。
そして野田秀子のテンションが最高におもしろい! 客席まで進出して大サービス。

阿部(妻夫木聡)はどこにでもいる能天気な男、多くの国民を代表しているというか。。。皮肉っぽく。
苺イチエ(深津絵里)可愛い。映画もいいけど舞台もいいなぁ。 そして歌も初めてだったらしいのに上手だった、驚き。
彼女の凛とした演技も誰かを模写したものと思われる。 
オーナー(秋山菜津子)の衣装はナチスを想像させる。髪形も。。。。んん〜〜マリリンモンロー(?)
そして粒来(仲村トオル)は円谷幸吉だったのだ。 何度も見た彼の遺書を探して読んでみる、インターネットってすごい。 

芸術監督(野田秀樹)消田監督(橋爪功)は目立たなかったけど重要な役どころ。さすがだ。
ただ、橋爪さんは少し年取ったのかな〜 私はそうでもなかったけど、知人がセリフが聞き取りにくかったと言っていた。

アンサンブルに福岡出身の菊沢将憲さんが出演。すごくカッコ良かった〜 福岡での舞台を思い出す。
・・・だからみんな東京に行っちゃうんだよなぁ〜〜・・(独り言)

音楽スタッフに椎名林檎、舞台にぴったりあった音楽の数々だった。

観れて良かった。また来て欲しいな。