19時〜 演劇書を読む会
六代目 尾上梅光 著 秋山勝彦 編
六代目尾上梅光1872年生-1934年死去
明治の歌舞伎役者、尾上梅光による歌舞伎の女形の心構え的な覚え書き。
旧仮名遣いだったし、最初あたりは振付の覚え書きが多くて、何が何やらさっぱりわからなかったのだけど、
後半は演技以外の心構えとか普段からの所作とかの話でなかなかおもしろかった。
彼は少年期に梨園に養子で入ってきたのだけど、それだけの才能を見抜かれたということだろう。
その彼の半生記も読みごたえがあった。
歌舞伎は昔から見て聞いて体で覚え込むことを継承してきたようだけど、やはり文章にしようと思い立ったのかな。
現代の女形の歌舞伎役者のバイブルにもなっているらしい。
女形は飽くまで男が女を演じるのだけど、気持ちや心も普段から女であるべきだと梅光丈は書いている。
う〜〜ん、かなり難しいことだろうな〜。 そこまでしてもやりたい女形の魅力はなんだったのだろう?
そこまでは読み取れなかった。
彼は長身だったので低く小さく見せることにかなり工夫をしていたようだ。
亭主(男)を立てて後ろに位置するとか、今だと女性蔑視ともとられかねない。
私たち女性でも今やここまで「女」を意識することはなくなりつつある。
少し寂しいけどそれが時代の流れなんだろうね。
歌舞伎に限らず日本の伝統芸能には危機感があるものが多いようだ。
国が存続に力をいれないとまずいのではないのかな〜
次回は8月第3水曜日 課題本「俳優漂流」笈田勝弘 五柳書院
これかなりおもしろそう。