「ファントム・スレッド」 映画 

teru10162018-05-26


1100円  

監督・脚本:ポール・トーマス・アンダーソン

1950年代、ファッションの中心地ロンドンの天才的な仕立て屋のレイノルズ。
アルマと出会ったレイノルズは彼女を讃え、ドレスを作り続ける。
愛し合う二人だが、アルマは自己中心なレイノルズを変えたくて、毒キノコをわずかにお茶に入れる。
嘔吐、腹痛に苦しむレイノルズを看病しながらほくそ笑むアルマ。
やがて結婚した二人だが、再び愛と狂気の世界へ・・・・

舞台はゴージャスな高級仕立て屋さんで、お客はお金持ちばかりなのだけど、
男女の愛、夫婦の軋轢など、割とわかりやすい話しだった。
どちらかというとがさつなアルマが習慣をぶちやぶっていらいらするレイノルズとか、
融通のきかないレイノルズにいらいらするアルマとか、どこにでもあるような夫婦像だ。

毒を盛るシーンにはちょっとどきどきしたけれど、本当にわずかな毒は薬になるのだな。
それにしても、致死量がどこくらいか分かってたんだろうか?

「マザコン、シスコンの融通のきかない男が田舎娘に惚れたって話」
かなり歳の差がありそうだけど、恋に落ちる瞬間は絵のようにきれいだった。
オートクチュールが仕上がる行程も興味深かった。これだけたくさんの仕立て人の手を経ているんだ。
全編を通してかちっとした仕立て風景、ふわっとした心理描写が素晴らしかった。

レイノルズ役のダニエル・デイ=ルイスはすごくダンディな男優さんだ。私と同じ歳。
この作品で俳優を引退するらしい。潔いね〜〜
アルマ役のヴィッキー・クリープス。 すごく美人ではないけれど、ひきつける顔立ちをしている。
レイノルズに負けない内面もいい。4ヶ国語を話せる才媛だそうだ。
シリル役のレスリー・マンヴィルは弟や店を愛して、そしてアルマも応援しているのが好感度が持てる。

とても面白かった。シネコンにかかる作品とは一味違う作品で観てよかった。

キャスト
レイノルズ・ウッドコック  ダニエル・デイ=ルイス
アルマ           ヴィッキー・クリープス
シリル           レスリー・マンヴィル