「六月博多座大歌舞伎」 博多座

teru10162018-06-09


16時20分〜 5000円 

初めての三階左サイド席。
うっわ〜見にくい!舞台も奥や左側が見切れる上に、乗りだしても花道が見えない。最悪・・・・
しょうがないね、座会のお任せだからこういうときもあるだろう。

それでも観始めたら、しっかり物語に入り込めた。

☆平家女護島 俊寛

前回と同じ、片岡仁左衛門丈の俊寛
単純なストーリーながら、実に人情あふれていて、それでいて人間らしい作品だ。
流人たちの情も涙だったが、今回は人情のかけらもない瀬尾(彌十郎丈)と情厚い丹左衛門(梅玉丈)の対比が
現代の政治に投影されて、複雑な思いがした。いや、誰が瀬尾とは言わないけれど。。。
ラストの船が出たあと、覆っていた布をさーっと引く場面はいつ観てもあざやか。生への執着がないものはいないだろう。  

☆二代目松本白鸚 十代目松本幸四郎 襲名披露 口上

お祝いを述べる面々が実に、襲名の二人を応援しているのがとてもよくわかる。
この場には八代目市川染五郎丈はいなかったけれど、代々歌舞伎役者を受け継ぐというのがどれだけすごいことか。
ところで、このお二人は高麗屋。 いまだに屋号の意味がよくわからない。。。

☆新皿屋舗月雨暈  魚屋宗五郎

尾上菊五郎丈の宗五郎を数年前に観た。とてもおもしろかった記憶があるのはやはりお酒が主題だから。
今回もせっかくの禁酒中にちょっとだけと飲み始めて最後は乱れてしまう様子がおもしろかった。
とはいうものの、私の中ではやっぱりこれはいかんだろうと思い始めている。
本来はちゃんと直談判して、妹に非がなかったことを証明しなければならないのに、
偶然、いい結果に転んだ感じなのだ。酒の力を借りて。。。ちょっとぶつくさ。。
内容はともかく、新白鸚丈の見事な演技でした。
  
☆新歌舞伎十八番の内  春興鏡獅子

幸四郎丈が披露する、鮮やかな衣装と踊りと演技。
ここのところ、新感線で観ることが多かったので、真面目?な歌舞伎役者としての幸四郎さんは久しぶり。
男っぽいけれど、すごく美しく、器用だから、なんでももやれるオールマイティな役者さんだ。
小姓弥生(幸四郎丈)の可憐な踊りに続いて、胡蝶の精(宗之助丈、壱太郎丈)の舞。このお二人も可愛い!
そして勇壮な獅子の精(幸四郎丈)の毛ぶりで華麗な長唄舞踊をつくりあげた。

迫力満点の襲名披露公演でした。