「粛々と運針」 ぽんプラザホール

teru10162018-06-16


18時〜 2500円 iaku

脚本・演出 横山拓也

母親が末期ガンの兄弟、それぞれの状況と考えの違いで会話がすれ違う、
子どもを持たない選択をした夫婦、子供が出来てしまい、それぞれの思いがすれ違う。
悪い人なんて誰もいない、誰にも共感できる部分があり、なんとか答えを導こうとする。
感情的になったり冷静になったり、自分を思い、相手を思い。。。

すごく斬新な演出だった。開演前から高い椅子にすわり左右で向かい合って、白い大きな布を縫う女二人。
いったいこれは誰なのか、何なのか。 物語が進むにつれて見えてきた。
死にゆく母と生まれ来る胎児なのだ。すごい、何の説明もなしにわかる。セリフのたどたどしさと雄大さでその違いも表現する。
そして彼女らを挟んで、前記の兄弟、夫婦の会話が交互に繰り返される。
そして、別次元だった話しがひょいと同期する。 これってタブーではないんだ。
それぞれの会話が結構生々しいし、言い争いが自分と重なる部分もあって胸が痛くなる。

兄弟の方は、70過ぎた母の恋人の話とか、財産の話、家の話し。
あまりにも自分の今現在の悩み事とリンクしていてぎょっ。。。
この兄弟にはどちらにも子供がいないからまだ単純だと思う。
これが双方の子どもまで関わってくると財産分与ってほんとに簡単じゃない。あ〜本当に悩ましい。。。
そして、夫婦の方は、不妊で悩む夫婦がすごく増えた現代において、時代に逆行する悩み。
私が知らないだけかもしれないけれどね。子供は作らないという選択をする夫婦がいる。
確かに子供にとっての未来は暗〜いものかもしれない。
それでも、妊娠した女性がかたくなに考えを変えないという演出に驚いた。う〜ん・・・

終演後に、場所を変えて近くのカフェバーにてアフタートーク。1000円/ワンドリンク軽食付き
「ザ・ライフ ホステル&バーラウンジ」 ホステルもあるバー、新しいなぁ。
ゲストは土田英生氏(MONO)、横山拓也氏(iaku)、司会は川口大樹氏(万能グローブガラパゴスダイナモス)
土田さんがやっぱり面白くて、飲んで、けっこうピー?なことをたくさん話されていた。ゆかいゆかい♪ 
横山さんはおとなしい感じだったけど、このすごい作品を観たあとだったので、オーラ全開だった。
そしていじられ役の川口さん、さすが司会の立場だったのできちんと全員を立てて素晴らしかった。
ちゃんと自身の作品に対する考えもしっかり発言されていた。
この3人は兄弟らしいw 全然似てないけどね、気が合うんだろうなぁ〜

役者さんも来られていてとても楽しい雰囲気のアフタートークだった。
キューズリンクの皆様、お世話になりました(^^)v
劇場でのアフタートークより準備が大変だったでしょうが、すごく楽しかった。
またお願いします♪

キャスト
尾方宣久(MONO)、近藤フク(ペンギンプルペイルパイルズ)、市原文太郎、伊藤えりこ(Aripe)、佐藤幸子(mizhen)、、橋爪未萠里(劇団赤鬼)