「ラインの黄金」 福岡市立中央市民センター

2019年5月15日(水)

19時~ 演劇の映像を観る会

楽劇「ラインの黄金」(脚本・作曲:リヒャルト・ワーグナー 
演出:パトリス・シェロー 1980年、143分)
パトリス・シェロー演出、ピエール・ブーレーズ指揮で話題を呼んだ
バイロイト音楽祭1980での「ラインの黄金
(楽劇4部作「ニーベルングの指環」の序夜)。
多くの話題を呼んで、その後のバイロイトのみならず
オペラ界の流れを変えてしまうという歴史的プロダクションとなった
記念碑的上演の舞台。
ラインの黄金から作られた指輪を手にした者は、"限りない力"を手にする。
この物語は、その指輪をテーマとしている。

 

[あらすじ]
<1場> アルベリヒ(地底人)がライン川の底にある「ラインの黄金」を盗み、
    指輪を作る。
<第2場>天上では、巨人族が城の建設を完成させていた。
    その報酬として、ヴォータン(神)らに指輪を要求する。
<第3場>ヴォータンらが、アルベリヒから指輪を奪う。
<第4場>怒ったアルベリヒが、指輪に"死の呪い"をかける。
    指輪を手にした巨人族は、死の呪いで殺し合いをしてしまう。
    最後に神々が、完成した城に入城していく。
(薙野さんのレジュメより)

 

40年前の作品だけど映像はきれいで、音声も明瞭だった。
さすがに歌がすごい。まだ本格的な生オペラは観たことがないけれど、
よく演技しながらあんな風に歌えるものだ。

映画の「ロードオブザリング」はこの作品が元ネタになっているらしい。
観たことはないんだけど、日本ではとても人気シリーズだよね。
魔力が宿った指輪を持つと願いが叶うとか破滅に向かうとか。
あらすじを読むだけで面白そう。いつかDVDを観てみようかな。

今回の作品は演劇と思って観ると、なんともちぐはぐな感じが・・・
歌っているときは他の人は立っているだけ、と言う感じで。
早く逃げればいいのにとかなんで止めないのよ、とか突っ込んでしまった。
オペラの見方ってあるのかな?

ヴォータン役の人はポールマッカトニーに似ている?
決して主役ではなく、指輪の魔力にとりつかれたずるい男のようだったけど、
最後はころっと心変わりするのが笑えた。
その妻フリッカの猜疑心の強さとかその妹フライアの胸の大きさとか
妙なところに目が行く。
巨人はどういうしくみになっているのか、背が高く、腕も長い。
2人で入ってるのかな?何かに乗っているのかな?
小人役は実際の小人症の役者を数名使っているようだ。
マメ山田さんを思い出した。

舞台設定は神々や妖精などなどが出てくるので、
天界のようなふわふわした感じ。立派なお城も天空の城かもしれない。
しかし、神も死ぬんだね。人間との違いはそれぞれの役目があって、
たとえばフライアは青春の女神であって、彼女が育てる果実を食べないと
元気がなくなるとか。神であっても万能ではなく、嫉妬もする。
物欲も支配欲もある、人間そのものだ。
それを風刺した作品なのかな。
この作品の最後はなんとも納得できないといった顔の人物たちだったので、
これだと序夜だけでなく、4部までも観てみたくなるな。4日。。。
観るのも大変だけど演るほうも大変だ。

映像を観る会は奇数月の第3水曜日に開催しています。
どなたでも参加できます。

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