「ひなた、日本語をうたう vol.1」 塩原音楽・演劇練習場大練習室

2024年2月3日(土)

14時~  3000円  ひなた旅行舎

構成・演出 永山智行
演出 木村佳南子

それぞれが音楽性にこだわって活動しているひなた旅行舎3人が、
音楽ライブの形式で、「うた」から作品をつくりあげていくのが、
ひなた旅行舎のうたうシリーズ。
チェルフィッチュ岡田利規が現代訳した狂言「木六駄」、
詩人の書いた不思議な夫婦の会話、
川上弘美原作の小説を落語に書きおろしたテキストが、
どんな「うた」になるのか!?
(きびるフェス公式サイトより)

セットリストは8個
歌や演奏とお芝居を交互に上演する。
ちらしのように3人で並んでだから、お芝居はリーディング形式だ。
演奏はプロのチェリスト坂元陽太さん、
日高啓介さんはギター、多田ちゃんはタンバリンやリコーダーなど。
変わった組み合わせの3人だけど、面白かった。
ばりばり活動しているわけではないけれど、こういうユニットを
時々おもてに出すっていいな。永山さんのこだわりもよくわかる。

多田ちゃんは本当に久しぶりだけど、相変わらず可愛い!
こんな素敵な声で歌っていたなんてびっくりだ。
東京に行っても気負いなく自然体でお芝居をしているんだろうな。

今回、どれも良かったけど、川上弘美の「花野」
たぶん、読んだことはあると思うのだけど、最近は特に死について考える。
そうすると自動的に生きている現在に思いが巡ってくる。
時間が過ぎるのはとても早くなっているのだけど、深くなってきている。
人生って面白いな。
岡田利規さん訳の「木六駄」も良かった。狂言って面白い。

この劇場は近くて便利。少人数ならこういう小さな場所もいいと思う。

この作品はキビるフェスの参加作品のひとつ、
お芝居は3つだけど2つしか観れない。残念だ。

キャスト
多田香織
日高啓介(FUKAIPRODUCE羽衣)
坂元陽太(演奏)

 

「LUPIN ~カリオストロ伯爵夫人の秘密~」 博多座

2024年1月23日(火)

12時~  16000円  東宝

脚本・歌詞・演出  小池修一郎
音楽        ドーヴ・アチア

日本ミュージカル界を代表する演出家小池修一郎と、
フランスの人気作曲家ドーヴ・アチアによる新作ミュージカルが誕生。
本作はフランスの小説家モーリス・ルブランの「怪盗ルパン」シリーズを
下敷きに、自由な発想で、各キャラクターが入り乱れる冒険活劇ロマン。
アルセーヌ・ルパンと魅惑的な美女カリオストロ伯爵夫人、令嬢クラリス
シャーロック・ホームズをはじめとした著名なキャラクター達が登場し、
財宝を巡って様々な駆け引きを繰り広げる。

ドーヴ・アチアによる心躍るオリジナルミュージカルナンバーはもちろん、
ダンス、アクション、ルパンとカリオストロ伯爵夫人による男女を入替えた
対決などエンターテインメント性をふんだんに盛り込み、
観客を19世紀末パリの舞踏会へと誘う。
博多座サイトより)

お正月に「べートーヴェン」を観たばかりだったので、似たような演目を
続けるのだな、と思っていたけれど、違った。
小池ミュージカルは実に日本的だった。
よく知られている「怪盗ルパン」をうまくアレンジして、
かっこいいけど楽しい、スマートだけど面白くて笑える。
音楽もクラシックとは違うポップで明るい、思わず手拍子をしてしまう。
ルパンもホームズも子どものときに読んでいたと思う。
老若男女を惹きつけるこのキャラクターたちは、ミュージカルにぴったりだ。

なんといっても古川ルパンのカッコよさが最高!!
雄大くんはテレビより絶対に舞台で輝く♪
小西シャーロックは実に面白かった! 探偵がコカインやっていいのか?!
真彩クラリスはすごく可愛い!、柚希カリオストロ伯爵夫人は妖艶だ~
宝塚は最近、いろいろ問題が起こっているようだけど、きちんと解決して
これからもたくさんのスターを輩出して欲しい。
清史郎くんも大きくなったね、これからが楽しみ。
宮川さんは昔レミゼのマリウスだったよ!ずいぶんマッチョになった感じ。

そしてやっぱり実感、博多座はいい劇場だ。

キャスト
アルセーヌ・ルパン     古川雄大
クラリス・デティーグ    真彩希帆
ボーマニャン        立石俊樹
イジドール・ボートルレ   加藤清史郎
ガニマール警部       勝矢
シャーロック・ホームズ   小西遼生
カリオストロ伯爵夫人    柚希礼音
ゴドフロワ・デティーグ   宮川 浩
レオナール         章平

 

「変身」 ぽんプラザホール

2024年1月20日(土)

19時~  3000円  FOURTEEN PLUS 14+

原作 フランツ・カフカ
構成・演出 中嶋さと

グレーゴル・ザムザは、ある朝、自室のベッドで目覚めると、
自分が1匹の巨大な虫になっていることに気がついた。
ことの次第を伝えようと、部屋の入り口まで這って出てくると家族は大仰天した。
初めは妹のグレーテが、グレーゴルの世話をしていたが・・

聴覚に障がいのあるお客様に対し、セリフや環境音といった聴覚情報を
手話や字幕で伝えます。
舞台手話通訳は、通常の手話通訳とは異なり、
通訳者も 1 人の出演者として舞台上に立ち、
役者とともに演じながら台詞や情景を観客に伝える手法です。
また当公演で表示する舞台字幕は、フォント、文字の太さ、
色、オノマトペ表現などを工夫し、情報としてだけでなく、
舞台上で繰り広げられる表現の一つとして機能します。
(公式サイトより)


以前、紺屋で観た中嶋さんの「変身」とはまた違う演出でとても面白かった。
手話通訳はやっぱりわからないので、字幕の方をしっかり見たけど、
注文の多い料理店」とちょっと違って↑上記のように、字体に変化を持たせて
より表現を広げた感じだった。
いろいろ工夫されているなと思った。

この回はあの田中千智さんのポストカードをいただいた。ちらしと同じ絵柄だ。
色あいや表情がミステリアスだけど、妙に気持ちを引き付ける。
福岡で活躍中、それがうれしいね。
帰りにこういう手話通訳や字幕付き公演への賛同の署名を、と言われて
QRコードを読み取ったけど、やっぱり難しい。。。
いろいろついていけなくなった自分が悲しいなぁ

中島さと
トクドメハルナ
佐藤柚葉
吉田忠
関岡マーク
手話通訳 野上まり、工藤知子

 

「金翅雀の群れ」 福岡市立早良市民センター

2024年1月18日(木)

19時~ 演劇の映像を観る会  

鐘下辰男作「金翅雀(ひわ)の群れ」、スタジオ演劇、1999年、演出:松本美彦、1時間45分)
舞台劇をスタジオで実演して収録した「スタジオ演劇」。
リストラが人の心をむしばんでいく様を描く濃密な舞台劇。
出演:永島暎子花王おさむ笹野高史千葉哲也宮藤官九郎、洪仁順、小川摩利子

画質はあまり良くなかったけれど、それを感じさせないほどの濃厚な内容だった。
リストラ係に人事異動させられた男は精神を病んで自殺する。
自宅での葬儀の場面、会社の人事部長たちに夫を返せと迫る妻。
夫のせいで会社が大きなダメージを負ったと迫る上司、リストラ対象だった社員。
それぞれの言い分をエンドレスで言い合う。
無言で対応する、20代らしき娘と息子。
娘は態度に嫌悪感を表すが、息子は淡々とした表情で一眼レフカメラ?で
弔問客たちを撮影する。あとでこの息子役はクドカンだったことを知り
びっくりした、若い!
言い合いに疲れたころ女が弔問にやってくるが。。。。。。

鐘下氏の真骨頂の強烈な演劇を観た。
胸が苦しくなる部分も多かったけれど目が離せなかった。

20年前とはいえ、かなり豪華に見えるマンションの一室。
リストラ直前あたりのバブルを思わせる。
酒をあおり、嫌がらせデリバリーのピザを食べ、たばこを吸いまくる。
時代を感じる。

以前観た鐘下さんの舞台はすごく難解なものだったので構えていたけれど、
とても、リアルな現実を取り扱っていて面白かった。


演劇の映像を観る会は、奇数月の第3木曜日に開催しています。

 

「ベートーヴェン」 福岡サンパレス

2024年1月5日(金)

12時~  16000円  東宝ミュージカル

脚本・歌詞ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲シルヴェスター・リーヴァイ
演出ギル・メーメルト

クンツェ&リーヴァイは、ベートーヴェンの〈愛〉をテーマに、
【父からの虐待】、【弟との確執】、【貴族からの独立】、
【幻聴による強迫観念】そして【叶わぬ恋】と、様々なエピソードを
織り交ぜながら、実際にベートーヴェンが残した膨大な楽曲群を紐解きつつ、
メロディに歌詞をつけ、旋律を再構築し、各シーンに当てはめていくという、
画期的で気の遠くなるようなアプローチを試みている。
そのため、誰もが一度は耳にしたことがあるであろう
「悲愴」、「月光」、「英雄」、「運命」、「田園」、「皇帝」、
エリーゼのために」、「第九」などのメロディが頻繁に登場し、
ベートーヴェンの生涯を知らなくとも、すんなりと作品の世界に
没入出来てしまうという仕掛けである。
(公式サイトより)

芳雄くんの舞台は久しぶりだ~
テレビでも良く顔を見るようになったので、すごく嬉しい。
まりさんも相変わらず年を感じさせない歌と演技で驚く。
この舞台はもちろん初めて観たのだけど、クンツェ、リーヴァイコンビの舞台は
どうしても曲調が似ているので、時々、エリザベートモーツァルト?と
思ってしまう瞬間がある。いいんだけど。
衣装も豪華で観るだけでうっとり、やっぱりミュージカルはこうでないと。
そして、オープニングとラストの繋がりの荘厳さ。
観客の心と目をがっちりと掴む構成で観たあとの満足感が半端ない。

有名な曲のメロディを聞いてルードヴィッヒの苦悩を思い描く。
楽家にとっての聴覚異常はつらかっただろうなあ。

しかし、トニとの恋愛はまあ不倫だし、微妙な気持ちだった。
でも、フランツ役の坂元さんは久しぶりですごく素敵だった!(歌ね)
カスパールとの確執はちょっと意外だったかもしれない。
大好きな弟を嫁に取られた感じだったのだろうか。
ベッティーナは好きなキャラクターだった。木下さんに合っていた。
アンサンブルが情景をダンスに変えて踊っていた。
これはトートダンサーと同じだ~ すごく素敵な演出だった。

今回は博多座でなく、福岡サンパレス
S席だったけど、かなり後方でもあり、見えにくかった。
この劇場はいい感じで建て直してもらいたいな。

キャスト
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン 井上芳雄
アントニー・ブレンターノ      花總まり
カスパール・ヴァン・ベートーヴェン 小野田龍之介
ベッティーナ・ブレンターノ     木下晴香
バプティスト・フィッツオーク    渡辺大
ヨハンナ・ベートーヴェン      実咲凜音
フェルディナント・キンスキー公   吉野圭吾
フランツ・ブレンターノ       坂元健児
ショルシュ    西田理人
マクセ      井澤美遥

 

「ドラマを解剖する」福岡市赤煉瓦文化館

2023年12月21日(木)

19時~ 演劇書を読む会

マーティン・エスリン著

批評家・ジャーナリスト・学者としても名高い著者が
BBCの演劇プロデューサーとして活躍していたころの体験をもとに著した
演劇論入門書。
演劇とは何か、コミュニケーションの一媒体としての演劇の役割、
マスメディアの発達による演劇の新局面など新しい視点から
わかりやすく解説する。(原著は1976年刊)

読みやすい本だった、演劇の素人でもわかりやすいことばで表現されていた。
章によっては専門的な部分もあったけれど、観劇者の立場から見た部分もあって、
「観る」側の心構えというか腑に落ちる部分があった。
それにしても、メディアが発達する前から演劇等のドラマは誕生していて、
長い歴史を感じる。人間はすごいなと思う。

読書会にもっとたくさんの人に参加してほしいなあ、
どうしたらもっと増えるのだろう。
最近、自身のSNS離れが顕著なので、宣伝方法がない。

演劇書を読む会は、偶数月の第3木曜日に開催しています。

 

「クレイジー・フォー・ユー」 キャナルシティ劇場

2023年12月15日(金)

13時半~  9000円  劇団四季

1930年代、ニューヨーク。銀行の跡取り息子、ボビーは仕事よりもダンスに夢中。
母親の命令で、砂漠の町の劇場をいやいや差し押さえに行くが、
そこで出会った娘ポリーに一目惚れ。
ところが彼女は、ボビーが差し押さえに来た劇場のオーナーの娘だった。
フラれたボビーは、大物プロデューサーのザングラーになりすまして
劇場を救う、という作戦に出る。
町の人たちと協力してショーを成功させれば、劇場も恋もうまくいくはず――
しかし皮肉にもポリーは、ボビーが化けたザングラーにぞっこん。
さらにそこへ本物のザングラーが現れた…… 
大混乱の恋のゆくえは!?ガーシュウィンのミュージカルコメディ
(公式サイトより)

とにかく明るくて元気で素敵な女の子が主役だ。
濱田めぐみさん、木村花代ちゃん、歴代ポリーは最強!。
今回の町真理子さんもめっちゃポリーだった
丸顔で可愛い、そして限りなく元気なポリー♪ 
ボビーは加藤さんでしかたぶん見ていない。
イメージが固定していたけれど、萩原ボビーも素敵だった。
萩原隆匡さんは加藤さんの後継者かな。ダンスがとにかくうまいよね~
イケメンだし、久しぶりに拝見してほれぼれとしてしまった。
そして、われらが荒川務さんがザングラーだよ!以前も荒川さんで観た。
同年代だけどダンスすごいわ~~若者に負けてない。

ザングラーフォーリーズの女の子たちも可愛くてダンス最強。
ボビーとザングラーの酔っ払い対称ダンス?いいね~
ランクは髪の毛があったw 役者さんで雰囲気が変わるの面白い。
雑貨を使った音楽やタップダンス、掲げられたポリー、
全部思い出したよ♪音楽も最高だし、なんといってもノリがいい。
 
もう少し長く上演して欲しかったけれど、全国公演なのでしょうがないね。

他の演目でも、1年に1回でもいいので、キャナルシティ劇場で四季の上演希望!