「金翅雀の群れ」 福岡市立早良市民センター

2024年1月18日(木)

19時~ 演劇の映像を観る会  

鐘下辰男作「金翅雀(ひわ)の群れ」、スタジオ演劇、1999年、演出:松本美彦、1時間45分)
舞台劇をスタジオで実演して収録した「スタジオ演劇」。
リストラが人の心をむしばんでいく様を描く濃密な舞台劇。
出演:永島暎子花王おさむ笹野高史千葉哲也宮藤官九郎、洪仁順、小川摩利子

画質はあまり良くなかったけれど、それを感じさせないほどの濃厚な内容だった。
リストラ係に人事異動させられた男は精神を病んで自殺する。
自宅での葬儀の場面、会社の人事部長たちに夫を返せと迫る妻。
夫のせいで会社が大きなダメージを負ったと迫る上司、リストラ対象だった社員。
それぞれの言い分をエンドレスで言い合う。
無言で対応する、20代らしき娘と息子。
娘は態度に嫌悪感を表すが、息子は淡々とした表情で一眼レフカメラ?で
弔問客たちを撮影する。あとでこの息子役はクドカンだったことを知り
びっくりした、若い!
言い合いに疲れたころ女が弔問にやってくるが。。。。。。

鐘下氏の真骨頂の強烈な演劇を観た。
胸が苦しくなる部分も多かったけれど目が離せなかった。

20年前とはいえ、かなり豪華に見えるマンションの一室。
リストラ直前あたりのバブルを思わせる。
酒をあおり、嫌がらせデリバリーのピザを食べ、たばこを吸いまくる。
時代を感じる。

以前観た鐘下さんの舞台はすごく難解なものだったので構えていたけれど、
とても、リアルな現実を取り扱っていて面白かった。


演劇の映像を観る会は、奇数月の第3木曜日に開催しています。