「戦争と市民」 イムズホール

teru10162008-12-23

14時〜 3600円 燐光群
渡辺美佐子主演。 ストレートな題名だけど、燐光群がやるのでかなり期待をしていった。 裏切られることなく大変重厚で、内容の吟味もさすがという感じであった。ただどうしても事実の羅列だけでは戦争の悲惨さを伝えにくく、観客の大勢を占めていた若者世代にどれだけ訴えかけたかな、という思いは残った。 とはいいながら、ちょうど彼らが親世代である私たちには小さいころに聞かされた、空襲、防空壕焼夷弾B-29などなどの言葉は重みをもって受け止められた。 一方、捕鯨に関しての知識は皆無に等しかったので、国際捕鯨委員会の取り締まり条約など、新鮮な気持ちで聞き入った。 捕鯨、養豚、養鶏などでもそうだと思うけど、愛情をもって育て食らうという「最終捕食者」としての人間の役割は重要なものだということも実感した。 演劇の演出として防空壕に隠れていた、「子どもの私」という存在も悪くはなかったと思うが、もう少し彼女をクローズアップしてもよかったかなと思った。 選挙、原発、環境汚染など、幅広く内容だった。 2時間半は短くはなかったけどこれだけのテーマを詰め込むのには足りなかったかもしれない。 多少ぐったりした劇後感はあったけど、今年の最後を締めくくるのにふさわしい公演だった。