「非常の人、何ぞ非常に」 キャナルシティ劇場

teru10162013-07-31

19時〜 8000円 パルコ劇場40周年記念公演
作・演出 マキノノゾミ
佐々木蔵之介岡本健一小柳友奥田達士篠井英介、素敵なメンズ5人芝居。

壊れたエレキテルを手にいれた源内は親友の玄白に見せて驚かせようとしたが、玄白はたった今罪死人の腑分けを見たばかりで興奮気味。
エレキテルに全く興味を示さず、逆にオランダのターヘル・アナトミアの正確さを語り、どうしたらあの本を読めるのかと源内に詰め寄る始末。
がっかりした源内はお前が翻訳しろとたきつける。。。

エレキテルで有名な平賀源内と解体新書を出した杉田玄白の壮絶な関係。ここまでの仲だとは思わなかった。
破天荒な源内の一生を親友の玄白と、ずっと傍にいた陰間の菊千代(本名佐吉)や他数名の近親者でつづった物語。

源内(佐々木蔵之介)の役が大胆で豪快で、それと対峙するかのような緻密で冷静な玄白(岡本健一)。 
二人のやりとりがかなり面白かった。役にピッタリなキャスティングだった。
佐吉役には小柳友、初見の役者さんだけど若くてすごくイケメン♪ マッチョというより美少年系。  
でも菊千代の衣装での啖呵は威勢があった。しかもキスシーン付。。。あ〜〜〜悩ましい・・・
早乙女太一にちょっと似た感じで見惚れてしまった。
そして、さすがの貫録、篠井英介奥田達士が数役をこなしまくっていた。
名脇役は芝居を盛り上げる。

絵も描く、戯曲も書く、小説も書く、ほかにもさまざまな特技を持つ源内は「マルチ・クリエータ」として重宝がられていたようだ。
何の不満もなさそうに見える源内だったが、心の奥深くでは問題があった。それを菊千代に指摘されて黙り込む。
世の多くの天才は同じ悩みを持っていたのではないのかなぁ。。 「自分以外は誰も愛せない」という。。。
その自覚が結局は誰かのために犠牲になるという選択だったとしたら、なんだか。。哀れだな〜〜
しかし、現代は「自分を愛せない」という人が増えているような気がするのは気のせいか・・・

題名は源内が佐吉の罪をかぶって獄中死したのに対して、玄白が「泣けませんよ、源内殿」と詠ったもの。
でも最後の・・・慟哭には思わずもらい泣き。。。

舞台セットは木造造りの家から赤く悩ましい遊郭、書庫が壁一面にある家(というか工場みたいな)。
キャナルシティ劇場はちょっと広すぎる感じもしたけれど他にぴったりな劇場はないなぁ。
冒頭が暗闇でぼそぼそとしゃべる源内(?)だったのか、いい席だったのにあまり聞こえずにその効果がわかりかねたのだけがマイナス。

まだ熟読していないけど、パンフレットは写真も読み物も多くてお得。
小柳さんは実物の方がいいな、篠井さんは写真がお約束のポーズばかりで笑える。
奥田さんはパンフ写真が一番かっこいい。 主演二人はもうほれぼれの一言(〃▽〃) 
そしてマキノノゾミさんの熱い思いに触れた内容でした♪