「心中天の網島-2017リクリエーション版-」 宮崎メディキット県民文化センター イベントホール

teru10162017-11-01


19時〜 2500円 木ノ下歌舞伎

作        近松門左衛門
監修・補綴    木ノ下裕一
演出・作詞・音楽 糸井幸之介

去年、北九州公演であった「勧進帳」が素晴らしかったと各本面で聞いていた。
今年こそはと思っていたら、福岡県内での公演がなかった。
一番近いところでこの宮崎。 一人ではちょっとなぁと思っていたところ、柴山麻紀さんに誘っていただいた!
高速バス往復で1泊かけて観劇〜 遠足、遠足♪

宮崎での観劇は初めてだった。 駅前はけっこう賑わっていて店も多かったけど、
この劇場があるところは、住宅街を抜けたえらく寂しいところ。
イベントホールもなかなか見つからずうろうろしてやっと見つけた。

開場待ちの間にホールの人に終演後の食事ができる場所を聞くと、丁寧にいろんなことを教えてくれた。
結局タクシーの運転手さんに聞くのが一番いいということで終演後の計画もばっちり!

歌舞伎を現代にアレンジしたものを作風としている劇団。毎回、主宰の木ノ下裕一さんがいろんな演出家をよんで上演しているらしい。
舞台はシンプル。だけど、なんというか。。工事中のマンションみたいで、ぽこぽこ穴が開いている中を出たり入ったり飛び歩いたり。
心中物は博多座で観た、阿部寛の「新・近松心中物語」が一番印象に残っている。
心中シーンがあわれで、悲しく、でも華やかだった気がする。
この天の網島も、心中に至るまでの経緯が胸を打つ、当事者の2人(治兵衛、小春)もだが、その妻(おさん)や親戚(孫右衛門他)
特に、小春の身請けの為に自分のものまで売ろうとするおさんには感動だった。
役者さんの技量が高かった。魅力的だった。

そしてその演技を盛り上げる歌や楽器の演奏。ヴァイオリンの音がなんともいえずに悲しい。
衣装こそ、現代風でジーンズやワンピースだったりするのだが、おさんのセリフが急に歌舞調ではっと我に返るみたいなところがあった。
そしてメインの心中シーンへ突入、たどたどしく「痛くないからね」と言いながら治兵衛のためらい切で痛がる小春。リアルだ。
このクライマックスには浮気男など弁明の余地もないと思っている私でも感動で涙が出てきた。これぞ心中物の醍醐味。
アフタートークはまるで女性みたいに声の高い木ノ下さんのおもしろトーク炸裂。

予定通りタクシーでオススメの居酒屋へ移動してもらい、宮崎の夜を楽しんだ♪ 演劇の話で飲むお酒は本当に美味しい。
また機会があれば観劇ツアーをしましょう!(^^)v

キャスト
紙屋治兵衛  日高啓介
紀の国屋小春 伊東茄那
おさん    伊東沙保
粉屋孫右衛門 武谷公雄
治兵衛叔母他 西田夏奈子
丁稚三五郎他 澤田慎司
太兵衛他   山内健司