「さよなら、サンカク」 なみきスクエア

2019年2月6日(水) 

19時半~  共通チケット ヒカリノオト

作・演出 松岡伸雄

人間の弱さや強さ、そして「家族」という狭く閉鎖的なコミュニティだからこそ起こってしまう事柄を、
実際に起きた少女監禁事件をモチーフに鮮烈に描き出す。
少女が監禁されている過去、そして五年ぶりに解放された現在を交錯させながら、
徐々に事件の全貌を明らかにしていく。事件は解決しても、未だ解決できていないこと。
解決しようがないこと。途端に騒がれては消えてしまうニュースの、その後。そして何故事件は起きたのか、
何故少女は生きて帰って来れたのか。(ちらしより)

とても衝撃的だった初演を思い出して、胸がちくちくするのを抑えながらの観劇だった。
監禁事件が中心にあるものの、他にもひきこもりや病気、老い、リストラ、不倫などこれでもかというほどの、
マイナー要素があふれている。唯一の救いは少女の心中の変化、自分自身や母親との関係の好転。
冷泉荘で観たそれは、もう少し軽い感じに思えたのだけど、今回は舞台もかなり大きくなっているし、
より凄みが増していたような気がする。

加害者の母役の峰尾さんは、ビジュアルから役に入りこんでいて、それはそれは熱演だった。
自分だったらどう考えるだろうとずっと考えこんでしまった。
息子が2人。それなりに母親のことを思っている。
弟が母親を殺してしまったのはすごく理解できることだ。私もそう言うだろう。

キャスト変更がなかった、立道さんと荘太さんはさらに役を深めていた。
丸坊主ってこの役のためかしら? 立道さんの制服姿も愛らしい。
年令不詳の女優さんだ。 
久しぶりに上田さんの演技を観た。ブランクはあっても実に味のある芝居をされる方だなぁ~コガキョさんのコメディチックな部分がちょっと安堵感を持った。荘太さんを含めて、ギンギラ以来の3人勢揃いだということに後で気がついた。安定感抜群だ。

ヒカリノオトの新作を早く観たいものだ。

キャスト
明子    立道 心
正輝    中島 荘太
鶴子    峰尾 かおり
幸子    上田 裕子
梨田さん  古賀 今日子
勇気    白川 宏治 (ユニットれんげ)

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