「ノートルダムの鐘」 京都劇場

2019年10月5日(土) 

17時半~  9720円 劇団四季 

作曲アラン・メンケン
作詞スティーヴン・シュワルツ
台本ピーター・パーネル
演出スコット・シュワルツ

ご存知、今年の4月に火災に見舞われ、その一部を焼失したノートルダム大聖堂
行ったこともないけれど、その有名で尊大な建物の火災にはとても驚いた。
その大聖堂を舞台とする「ノートルダムの鐘」

元になったのはディズニーのアニメ映画だけど、
それをどう舞台化するのかにはとても興味があった。
テレビでその映画を観ていっそう興味は募ってきた。
アニメの吹き替えを四季の俳優さんがやったような気がする。

原作は「ノートルダム・ド・パリ」という小説で、こちらとは若干ストーリーが
違うらしい。

15世紀末のパリ。ノートルダム大聖堂の鐘突き塔には、
カジモドという名の醜い姿の鐘突きが住んでいた。
聖職者フロローに育てられた彼は、外の世界と隔離されていた。

力持ちで優しく、手先も起用なカジモドは石像と鐘に名まえをつけて、
夢の中で暮らしていたが、町で踊り子のエスメラルダに会い、恋に落ちる。
その恋は破れたものの、彼女や友達との協力によって、広い世界に現れる。。

紆余曲折を抜けて人々に受け入れらるカジモドだけど、
フロローの扱いや、みんなからの虐待など目を覆うような表現が多くて、
胸が苦しい思いになった。
偏見や差別は現代でも数多く残っている。
この作品は何歳のこどもから受け入れられるだろう。

カジモドやエスメラルダより、フロローの演技やセリフに激しく惹きつけられた。
なんだか、自分の醜い部分を抉り出されている気分にもなってきた。
聖職者であるから、余計に鬱曲した性格になるのだろうか。
本当は甥であるカジモドに「ご主人さま」と呼ばせるフロロー。
鐘突き塔に閉じこめたのも、屈折した愛情だったのだろうか。

舞台上には数々の鐘が並んでいて、鐘突き塔の中をイメージしている。
町の喧騒はちょっと弱かったけれど、石像たちとのやりとりは見事だった。
音楽も荘厳で、ノートルダムにふさわしい。

重い作品だったけれど、感動を受け取った。
来年には福岡に来てくれるらしい。
またカジモドに会いに行こう。


キャスト
カジモド   金本泰潤
エスメラルダ 岡村美南
フロロー   川口竜也

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