「六月博多座大歌舞伎」 博多座

16時〜 18000円  
前回の昼の部に続いて夜の部。演目は三つ。
仮名手本忠臣蔵』有名な忠臣蔵の話の浄瑠璃十一段中の七段目。 大石内蔵助(ここで大星由良之助)が敵を欺くためにその気がないふりをするために祇園茶屋で遊び呆けている場面から。 とかく忠臣蔵というと現代では理解しがたい主君への忠義を前面に出すのだが、当時はこれによって血縁でも骨肉の争いが多かったようだ。 由良之助が決起の文を茶屋で読んでいるのを、遊女のおかる、敵の九太夫に盗み見され、殺すしかないと選択。 なんで手紙を見ただけで殺すのー? とその理不尽さにあぜんとしながらも、おかるが仲間の平右衛門の妹だということで、それを理解した平右衛門が、由良之助のためにおかるを殺そうとした。 さらになんでー? とあぜん。 同じ日本人でありながらこの考えは本当に理解できない。 今だったら会社のために汚職もやり、身代わりに牢獄へ行くということか。 由良之助を松本幸四郎丈、おかるを中村魁春丈、平右衛門を中村梅玉丈がしっとりと演じる。 酔ったふりからしゃっきり正気になる由良之助が素晴らしかった。 イヤホンガイドでがっつり聞くと本当に筋もよくわかるし、見どころもわかる。 ありがたい道具です。
『英執着獅子』女形坂田藤十郎丈が踊る、彼は70を超えている。 それでこの華やかな舞と激しい舞。 よくこれだけの舞台を務められるものだと感心する。 とにかく派手な舞台と派手な衣装、踊り。 衣装の早変わりの後見の手際がすごい。 何度となく稽古しているのだろう、みじんの不安も感じさせない後見だった。 2人ずつの小姓、女小姓の舞も見事だった。 坂東亀寿丈、尾上松也丈、尾上右近丈、澤村宗之助丈、やっぱり若い人を見るのは華やぐ。 熟練の芸もそれはそれは素晴らしいのだけど。
『魚屋宗五郎』魚屋の宗五郎(尾上菊五郎丈)は奉公に出ている妹のお蔦が汚名をかけられたあげくに手打ち。 ということが無念でならない。 しかしおなぎ(市村萬次郎丈)が持ってきた事実と酒樽によってついに禁じていた酒を飲んでしまい、酒乱の本領発揮でお蔦の奉公先磯部家に殴りこむ。 ヒールの岩上典蔵(尾上菊十郎丈)に縛られ、切られようとするが、家老の十左衛門に止められる。 寝入ってしまった宗五郎は素面に戻って反省しきり、そこへ磯部の当主が出てきてお蔦手打ちを謝り、詫び金をだすという。 しかもお蔦に罪をきせた典蔵を罰するということを聞いて安堵の宗五郎だった。  この演目が一番おもしろかった♪ なんせ酒乱仲間w  酒飲みの気持ちはよーくわかるw でもやっぱりヤケ酒は良くないよね。 お酒にも失礼だし、何よりお酒は楽しく飲みたいと思う今日この頃。 だけど酒の力を借りてでもなければ打ち破れなかった当時の主従関係の重さ。 哀れを感じるな・・  高価な歌舞伎だけど、やっぱり見て損はない。 あと1度ずつくらい見たかったけど料金的に非常に厳しいなぁ。 内容が身近なのはわかった、あとは料金をもう少し勉強してくださいませ(;^。^A たとえばリピーター割とかw