「トッツィー」 博多座

2024年3月13日(水)

12時~ 15500円  東宝

音楽・歌詞   デヴィッド・ヤズベック
脚本      ロバート・ホーン
演出      デイヴ・ソロモン

俳優のマイケル・ドーシー(山崎育三郎)は、演技へのこだわりと熱意は
高いが、演出家やスタッフと揉めてしまう、性格に難ありの俳優。
女性に扮してミュージカルのオーディションを受けたら合格し人気者に!
共演者のジュリー(愛希れいか)に恋してしまったが・・・・

ミュージカルは見る前からわくわくする。
音楽も楽しくて素敵だった。
そして、育ちゃんのドロシー役にホレボレ・・・・(´∀`*)
とにかくスタイルがいい、足も長いし、体のラインが実に女っぽい。
さすがに顔立ちは、きれいだけど逞しい男性のものだw
でも、それを赤いメガネで隠して作るしなは女性そのもの。
声は。。まあしょうがないね
そして元カノのサンディ(昆 夏美)のハチャメチャさが可愛い。
よくこれだけのセリフを覚えたものだ。
同居のジェフ(金井勇太)もほんとの親友ということがよくわかる。
このキャラクター好きだなあ~
そしてヒロインのジュリー(愛希れいか)がかっこいい!
元ヅカの娘役だということだけど、力強くて男役かと思った。
ベテランのリタ(キムラ緑子)やスタン(羽場裕一
おバカなマックス(岡田亮輔)もいい味を出していた。
笑えるミュージカル最高!

ストーリーは最初はどうなるのかわくわくしたけれど、ラストは
ちょっと尻切れトンボの感じで残念だったかな~~
まあ、現実だって、きれいにすっぱり終わるわけでもないしね。
育ちゃんや夏美ちゃんの歌ももう少したくさん聞きたかったな。
と言いつつ、ナンバーリストを見たらたくさん歌ってるんだ。アレ?
タイトルの「トッツィー」とはスラングっぽいことばらしくて、
劇場に注意書きがあった。ん-不適切なセリフ?があるかもしれないけど、
原作に忠実であった、とかなんとか。。。
大変だね。。。。

いいお席で堪能できた。
私的にはミュージカルは1に歌、2にビジュアルだな~~

キャスト
マイケル・ドーシー/ドロシー・マイケルズ  山崎育三郎
ジュリー・ニコルズ   愛希れいか
サンディ・レスター   昆 夏美
ジェフ・スレーター   金井勇太
マックス・ヴァン・ホーン   岡田亮輔
ロン・カーライル    エハラマサヒロ
スタン・フィールズ   羽場裕一
リタ・マーシャル    キムラ緑子

 

「鮭なら死んでるひよこたち」 なみきスクエア大練習室

2024年2月17日(土)

14時~  3000円(キビる割り)  第21回AAF戯曲賞受賞公演

戯曲  守安久仁子
演出  羊屋白玉

色づけされたことに気づかず鳴くひよこや、
産卵後に死ぬサケ等のイメージから人の性(さが)や
巡る命の不思議さに人生観を織り交ぜた物語
(公式サイトより)

キビるフェスの参加作品
まず、タイトルとチラシの斬新さに惹かれる。
手書きで色付きの文字。なんだかわくわくする。
初っ端からリモコンの列車、鮭とひよこが乗っている。
シュールだ。
舞台中央にシーソー、夫婦らしき二人の登場。
何やら深刻なストーリーを予想させる言動や行動?
かと思っていたら、時々はさまるスタンダップコメディ
ちょっとほっとするけど、緊張は途切れてしまう(^^;
まあ、でも各人のコメディは実に面白かった。
まさか創作ではないだろうけど、リアルなプライベートの話。
ほんとなの?という内容で驚く。
登場人物たちもとても個性的な人ばかりで目を惹く。
若い演劇人?リンノスケくん、戦うアーティスト遠藤麻衣嬢、
おじいちゃん!神戸浩殿、フーちゃんスズエダフサコ姫、、
そして我らが田坂哲郎様、白玉さんの演出に全く負けてない面々で
面白かった!いやー白玉さんもすごい!

終演後にキビるカフェが開催された。スタッフ含めて9人。
あの行きたかったパンケーキ屋さん♪
作者の守安さんも来られていて作品作りの話など聞けてとても
面白かった、ひさしぶりにこういう演劇後の集まりに参加できて
嬉しかった。同じ思いや違う見方をいろいろ話せて感動した。
ありがとう!AMCFの皆様、柴山さん(^^)

キャスト
遠藤麻衣、神戸浩、スズエダフサコ、
 田坂哲郎(非・売れ線系ビーナス)、リンノスケ(きっとろんどん)

 

「ふり蛙―新国劇70年あれこれ」福岡市赤煉瓦文化館

2024年2月15日(木)

19時~ 演劇書を読む会

島田正吾

1987年秋、ひとつの劇団が70年の歴史の幕を閉じた。義理と人情、迫力ある殺陣、
男っぽさを売り物に、一時代を画した劇団「新国劇」である。
19歳で入団以来、創始者沢田正二郎亡きあと、盟友・辰巳柳太郎と手をたずさえて、
大衆演劇にかけた師の理想をみごとに開花させてきた著者が、
試行錯誤の青春時代、師の思い出、幕のうちそとでのさまざまな出会いを語る。
(薙野さんのレジュメより)

とても読みやすく、面白い本だった。
島田正吾さんはテレビで見ているはずだ。ごく最近まで活躍されているようだし、
最後の方の番組には見覚えもある。
新国劇の舞台はわからないけれど、この本を読むと長い歴史にたくさんの人が
関わっているのがわかる。
昔の作家や演出家、そして役者たちがいろんな形で関係してきたんだな。
島田氏の文章は気負いもてらいもなくて、淡々と歴史の真実のみが
書かれていて、想像する部分はそのように書かれている。
島田氏自身は長生きされていて、多くの人を見送ってこられた。
その追悼の文章もまとめられていて、温かい人脈であったことがわかる。
先に逝くのも後に逝くのも同じことだけど、文章に残せる人が後のほうが
いいかなと思った。

演劇書を読む会は、偶数月の第3木曜日に開催しています。



「二月花形歌舞伎」 博多座

2024年2月7日(水)

11時~  5500円  製作 松竹

一、江戸宵闇妖鉤爪(えどのやみあやしのかぎづめ)

明智小五郎と人間豹
市川染五郎大凧にて宙乗り相勤め申し候

色男で道楽者の下級武士神谷芳之助の恋人が、
何者かによって惨殺される。肩には鋭く咬まれたような傷があった。
明智小五郎は、それらを同一犯の犯行とにらみ、人を食い殺す
“人間豹”の仕業と見極める。次の狙いが自分の女房であると
わかった明智は、人間豹・恩田乱学に敢然と立ち向かう。
(公式サイトより)

面白い演目だった。歌舞伎でやるのには最高なんじゃないかな。
こういうおどろおどろしい作品は歌舞伎にうってつけだ。
人間豹のメイクが最高だね。ボンボンの芳之助と2役の染五郎丈が
鮮やかに入れ替わり立ち代わりで演じるのを観るのが楽しい。
かつては恩田乱学を演じた幸四郎丈が明智小五郎の名演技。
舞台はこうやって引き継がれていくんだな~
ラストの斜めに大凧で宙乗りをする恩田、なんと3階席上手の
私の席の前に飛んできて数十センチメートルの近さに!
思わず叫んでしまったのは私だけではないので。。。笑
また明智小五郎を読んでみたくなった。

明智小五郎   松本幸四郎
恩田乱学/神谷芳之助   市川染五郎
芸者お甲/女役者お蘭/明智の女房お文   河合雪之丞
目明し恒吉   大谷廣太郎
老婆百御前   片岡千次郎
小林屋新八   澤村宗之助
居酒屋主吾兵衛   松本錦吾
与力畔柳半左衛門/蛇娘お玉  市川高麗蔵

二、鵜の殿様(うのとのさま)

西川右近の振付により「名古屋をどり」にて初演された狂言仕立ての松羽目舞踊

盛夏の季節。とある大名が暑さをしのごうと、家来の太郎冠者へ
「鵜飼」という涼の遊びを披露するよう命じます。
早速、鵜飼の由来を語る太郎冠者。腰元たちを鮎に見立て、
鵜が鮎を捕る様子をみせますが、やがて大名も鵜飼遊びの真似事に加わります。
そこで太郎冠者は、鵜飼をよく知らない大名に鵜の役を、
自身は鵜匠となって、鵜飼ならではの漁法のやりとりを指南するのですが…。
(公式サイトより)

舞踏の時はうとうとすることが多いのだけど、今回は楽しかった♪
一応、イヤホンガイドは借りるのだけどそこまで難解なセリフは
なかったような気がする。
軽快なリズムに乗った舞踏で腰元たちの可愛さも引き立つ。
鵜飼は近くでは日田で行われている。もう長いこと見ていないけど、
今年は見にいってみようかな。

太郎冠者 松本幸四郎
大名   市川染五郎
腰元   河合雪之丞
腰元   澤村宗之助
腰元   市川高麗蔵

とても楽しくて見ごたえのあった歌舞伎舞台だった。

 

「ひなた、日本語をうたう vol.1」 塩原音楽・演劇練習場大練習室

2024年2月3日(土)

14時~  3000円  ひなた旅行舎

構成・演出 永山智行
演出 木村佳南子

それぞれが音楽性にこだわって活動しているひなた旅行舎3人が、
音楽ライブの形式で、「うた」から作品をつくりあげていくのが、
ひなた旅行舎のうたうシリーズ。
チェルフィッチュ岡田利規が現代訳した狂言「木六駄」、
詩人の書いた不思議な夫婦の会話、
川上弘美原作の小説を落語に書きおろしたテキストが、
どんな「うた」になるのか!?
(きびるフェス公式サイトより)

セットリストは8個
歌や演奏とお芝居を交互に上演する。
ちらしのように3人で並んでだから、お芝居はリーディング形式だ。
演奏はプロのチェリスト坂元陽太さん、
日高啓介さんはギター、多田ちゃんはタンバリンやリコーダーなど。
変わった組み合わせの3人だけど、面白かった。
ばりばり活動しているわけではないけれど、こういうユニットを
時々おもてに出すっていいな。永山さんのこだわりもよくわかる。

多田ちゃんは本当に久しぶりだけど、相変わらず可愛い!
こんな素敵な声で歌っていたなんてびっくりだ。
東京に行っても気負いなく自然体でお芝居をしているんだろうな。

今回、どれも良かったけど、川上弘美の「花野」
たぶん、読んだことはあると思うのだけど、最近は特に死について考える。
そうすると自動的に生きている現在に思いが巡ってくる。
時間が過ぎるのはとても早くなっているのだけど、深くなってきている。
人生って面白いな。
岡田利規さん訳の「木六駄」も良かった。狂言って面白い。

この劇場は近くて便利。少人数ならこういう小さな場所もいいと思う。

この作品はキビるフェスの参加作品のひとつ、
お芝居は3つだけど2つしか観れない。残念だ。

キャスト
多田香織
日高啓介(FUKAIPRODUCE羽衣)
坂元陽太(演奏)

 

「LUPIN ~カリオストロ伯爵夫人の秘密~」 博多座

2024年1月23日(火)

12時~  16000円  東宝

脚本・歌詞・演出  小池修一郎
音楽        ドーヴ・アチア

日本ミュージカル界を代表する演出家小池修一郎と、
フランスの人気作曲家ドーヴ・アチアによる新作ミュージカルが誕生。
本作はフランスの小説家モーリス・ルブランの「怪盗ルパン」シリーズを
下敷きに、自由な発想で、各キャラクターが入り乱れる冒険活劇ロマン。
アルセーヌ・ルパンと魅惑的な美女カリオストロ伯爵夫人、令嬢クラリス
シャーロック・ホームズをはじめとした著名なキャラクター達が登場し、
財宝を巡って様々な駆け引きを繰り広げる。

ドーヴ・アチアによる心躍るオリジナルミュージカルナンバーはもちろん、
ダンス、アクション、ルパンとカリオストロ伯爵夫人による男女を入替えた
対決などエンターテインメント性をふんだんに盛り込み、
観客を19世紀末パリの舞踏会へと誘う。
博多座サイトより)

お正月に「べートーヴェン」を観たばかりだったので、似たような演目を
続けるのだな、と思っていたけれど、違った。
小池ミュージカルは実に日本的だった。
よく知られている「怪盗ルパン」をうまくアレンジして、
かっこいいけど楽しい、スマートだけど面白くて笑える。
音楽もクラシックとは違うポップで明るい、思わず手拍子をしてしまう。
ルパンもホームズも子どものときに読んでいたと思う。
老若男女を惹きつけるこのキャラクターたちは、ミュージカルにぴったりだ。

なんといっても古川ルパンのカッコよさが最高!!
雄大くんはテレビより絶対に舞台で輝く♪
小西シャーロックは実に面白かった! 探偵がコカインやっていいのか?!
真彩クラリスはすごく可愛い!、柚希カリオストロ伯爵夫人は妖艶だ~
宝塚は最近、いろいろ問題が起こっているようだけど、きちんと解決して
これからもたくさんのスターを輩出して欲しい。
清史郎くんも大きくなったね、これからが楽しみ。
宮川さんは昔レミゼのマリウスだったよ!ずいぶんマッチョになった感じ。

そしてやっぱり実感、博多座はいい劇場だ。

キャスト
アルセーヌ・ルパン     古川雄大
クラリス・デティーグ    真彩希帆
ボーマニャン        立石俊樹
イジドール・ボートルレ   加藤清史郎
ガニマール警部       勝矢
シャーロック・ホームズ   小西遼生
カリオストロ伯爵夫人    柚希礼音
ゴドフロワ・デティーグ   宮川 浩
レオナール         章平

 

「変身」 ぽんプラザホール

2024年1月20日(土)

19時~  3000円  FOURTEEN PLUS 14+

原作 フランツ・カフカ
構成・演出 中嶋さと

グレーゴル・ザムザは、ある朝、自室のベッドで目覚めると、
自分が1匹の巨大な虫になっていることに気がついた。
ことの次第を伝えようと、部屋の入り口まで這って出てくると家族は大仰天した。
初めは妹のグレーテが、グレーゴルの世話をしていたが・・

聴覚に障がいのあるお客様に対し、セリフや環境音といった聴覚情報を
手話や字幕で伝えます。
舞台手話通訳は、通常の手話通訳とは異なり、
通訳者も 1 人の出演者として舞台上に立ち、
役者とともに演じながら台詞や情景を観客に伝える手法です。
また当公演で表示する舞台字幕は、フォント、文字の太さ、
色、オノマトペ表現などを工夫し、情報としてだけでなく、
舞台上で繰り広げられる表現の一つとして機能します。
(公式サイトより)


以前、紺屋で観た中嶋さんの「変身」とはまた違う演出でとても面白かった。
手話通訳はやっぱりわからないので、字幕の方をしっかり見たけど、
注文の多い料理店」とちょっと違って↑上記のように、字体に変化を持たせて
より表現を広げた感じだった。
いろいろ工夫されているなと思った。

この回はあの田中千智さんのポストカードをいただいた。ちらしと同じ絵柄だ。
色あいや表情がミステリアスだけど、妙に気持ちを引き付ける。
福岡で活躍中、それがうれしいね。
帰りにこういう手話通訳や字幕付き公演への賛同の署名を、と言われて
QRコードを読み取ったけど、やっぱり難しい。。。
いろいろついていけなくなった自分が悲しいなぁ

中島さと
トクドメハルナ
佐藤柚葉
吉田忠
関岡マーク
手話通訳 野上まり、工藤知子