「ふり蛙―新国劇70年あれこれ」福岡市赤煉瓦文化館

2024年2月15日(木)

19時~ 演劇書を読む会

島田正吾

1987年秋、ひとつの劇団が70年の歴史の幕を閉じた。義理と人情、迫力ある殺陣、
男っぽさを売り物に、一時代を画した劇団「新国劇」である。
19歳で入団以来、創始者沢田正二郎亡きあと、盟友・辰巳柳太郎と手をたずさえて、
大衆演劇にかけた師の理想をみごとに開花させてきた著者が、
試行錯誤の青春時代、師の思い出、幕のうちそとでのさまざまな出会いを語る。
(薙野さんのレジュメより)

とても読みやすく、面白い本だった。
島田正吾さんはテレビで見ているはずだ。ごく最近まで活躍されているようだし、
最後の方の番組には見覚えもある。
新国劇の舞台はわからないけれど、この本を読むと長い歴史にたくさんの人が
関わっているのがわかる。
昔の作家や演出家、そして役者たちがいろんな形で関係してきたんだな。
島田氏の文章は気負いもてらいもなくて、淡々と歴史の真実のみが
書かれていて、想像する部分はそのように書かれている。
島田氏自身は長生きされていて、多くの人を見送ってこられた。
その追悼の文章もまとめられていて、温かい人脈であったことがわかる。
先に逝くのも後に逝くのも同じことだけど、文章に残せる人が後のほうが
いいかなと思った。

演劇書を読む会は、偶数月の第3木曜日に開催しています。