「スピーカー」 大野城まどかぴあ小ホール

teru10162009-10-09

19時〜 2000円  グレコローマンスタイル010
前回の高級そうな家具がそろった部屋とは違い、驚くほどシンプルな舞台。 質素な衣装(そりゃ監獄服だからね) だけど、斬新で凝った脚本は実におもしろかった。 男性3人(囚人?)がそれぞれが独居房に入っていて、壁でさえぎられている。 それぞれの部屋の上方には似たような体格の人物がいて、1人の役を二人で演じる。 壁をたたきながらしゃべっているんだけど、実際に伝わっているのは壁をたたく音だけ、という設定。 つまりモールス信号のように壁をたたく音で会話しているわけだ。 二人でやっていたのをその隣の囚人も聞きつけて音を解読、おそるおそる話しかける(壁をたたく) 三人は毎晩「会話」を楽しんでいたが、ちょっとすれ違いがあって、一人が他の二人が脱獄を計画していると勘違いする。 誤解は解消されたが、少し不況和音が混ざってくる。 オモイを伝えるとはかくも難しいことなんだと改めて知る・・・・・・   実際に役者さんも壁でさえぎられているわけだから、他の役者さんは見えない。 声だけが聞こえる。 それでこれだけ調和のとれた芝居ができるってのはすごい。 稽古量がすごいのだろう。 壁をたたく会話なのに、それぞれの癖があるとか、お休みの合図とか、よく考えられているなと思う。 確か鶴賀さんは太鼓の名手ではなかっただろうか? だから壁を叩くだけでもすごくリズミカルで調子がいい。 よくわからなかったのは、二人一役にした理由。 飽くまで叩く人はしゃべらずに心の中でしゃべってるということかな。 それからあまりに叩き続けるので、手や指が痛いだろうな、と心配になったほど。 劇場パンフの中で山下さんが、オモイを伝えるって大変だと、伝えたいのに伝わらないときはどうしているかと、問いかけていた。 私も口下手、しゃべればしゃべるほど誤解を産む人間。 最近無理にしゃべらないほうがいいことに気がついた。 ちょっと寂しいけどね。