「クロノス」 ぽんプラザホール

teru10162009-10-18

18時〜 1500円  劇団風三等星
キャラメルボックスの作品。 観たことはないのだが、舞台のセットや音楽がキャラメルっぽい。 まあ、あまり先入観はダメだろうけど、キャラメルボックスの作品は万人に受け入れられるものが多い。 やっぱりテーマがわかりやすいってのがポイントだろう。 わかりやすいだけがいい芝居ではない、と誰かが言ってたけど、それはわかる。 だが、キャラメルに関しては、作品だけでなく、公演の制作全体がすごいんだよね。 チケットの予約や当日半額のシステムとか、物販の手際良さ、売ろうという努力が現場の全体から伝わってくるのだ。 風三はそこまで真似しようとは思わなかったのだろうが、物販があれば私はたぶん買ったと思われる(^^;; さて、本題。 クロノスとは物質を過去に飛ばす機械。 いわゆるタイムマシンなのだが、未完成品。 過去に行けても、いつどこへ戻ってくるのかがわからない。 その未完成品を好きな人のために使いたい!という男(スイハラ)が主人公。 これがまた頼りないというか口下手だし、不器用だし、みていていらいらする。 50年以上も未来に飛ばされたスイハラは、なぜ自分が2009年からやってきたかをエビナたちに説明し始める。 クロノスを開発していたスイハラは思いを寄せていた、中学の同級生クミコを近くの花屋でみつける。 クミコの弟ライトはボクサー、スイハラと同じボクシング部の後輩だった。 ある日花屋に突っ込んだタンクローリーに轢かれ、クミコは死んでしまう。 スイハラはクミコが死ぬ前に戻って事故から遠ざけようとするがうまくいかず、其のたびにハルカ先の時代に飛ばされる。 その時間が次第に7ヵ月後、2年後、7年後と先にのびていく。 また時間移動の衝撃のせいか、身体的状態が激しく悪くなる。 それでもクミコが死なないように、自分を省みずに過去にとび続ける。 運命があざ笑うかようにうまくいかなかったスイハラの行動は実を結ぶ。 クミコは事故から免れるのだ。 そして時間軸は方向を変える。 SFサクセスストーリーという感じ? 一応ハッピーエンドだったけど、実際タイムトラベル物でこういう結末は珍しいのではないだろうか。 運命は変えられるとは思うが、それは過去に戻ることではない。 しかし、実に飽きずにおもしろかったのは、先が予測不可能だったからかな。 主役が良かった。 吹原和彦(梶川竜也) 彼は出ずっぱりでセリフも膨大、立ち回りシーンも多く、最後よろよろなんだけど、実際よろよろだったのではないだろうか。 梶川さんは細くて華奢なのに、これだけの存在感を出せるのがすごい。 主宰の広瀬さんも出演していたが、彼が出てくるとプッと笑ってしまう。 なぜだろう?セリフも演技もコントっぽい感じなのだ、実際はそうでもないんだけどね。 ご贔屓の池田商会から女優二人が出演。 矢野真由美さんと松本裕子さん、すごくいい、池田の外でも輝く女優たちだ。 また後藤香さんも出演。 彼女も最近コントがかっているけど、やっぱりその演技力がすごい。 また、彼女の演出作品も観たいなあ。 すごい作品にすごいメンバー。 これで前売り1500円となると・・・カナリヤスイ・・やっぱり最近の芝居のチケット代、高め設定かな〜 T崎さんに同意。