「蛮幽鬼」 ゲキ×シネ

teru10162010-10-03

2200円 劇団☆新感線
定価2500円、映画とはちょっと違う映画、ゲキ×シネ。舞台を映像で見せる試みは、ゲキ×シネに限らずにシネマ歌舞伎とかライブスパイアとかいろんなところで試みられている。 シネマ歌舞伎は歌舞伎の値段や雰囲気等が高尚で劇場に行きたくも足が遠のいてしまうところを、気軽に観てもらえるようになっているところがすごい。 もちろん、生の舞台が近くで観れないところでは言うまでもない。 一度だけ見たけど、普通の映画館よりも観客が多かったように思った。 コアなファンが多いのかもしれない。 ライブスパイアで見たキャラメルボックスは空席が目立っていた。うーん。。。?  さて、「蛮幽鬼」今までの劇団☆新感線の路線をしっかりと継承し、しかもメジャーな役者を配することで演劇以上の効果をもたらしたというところかな。 メジャーというのはTVや映画で広く顔を知られているということで、伊達土門(だてのどもん)【上川隆也】 美古都(みこと)【稲森いずみ】 刀衣(とうい)【早乙女太一】 サジ【堺 雅人】このあたり。 そのほかの新感線や客演の人も演劇界では超有名どころなのだが。 無実の罪で監獄島に閉じ込められた伊達土門は裏切ったかつての仲間への復讐だけを生きがいに脱獄する、そのときにさじと名乗る男が類まれなる殺人者であることを知り、仲間にして逃亡。 かつての婚約者の美古都は大君に嫁ぎ、彼の亡きあと大君の座につき、土門と対決の姿勢。 当時でも今でも尽きることのない、人間関係の複雑さや誤解の積み重ね。 人間はどれだけこれを繰り返せば、気がすむのだろう。 国通しの争いはそれに排他精神が加わる。 現在問題になっている日中関係の複雑さもこの時代から延々と続いてきたものなのだろうな〜 それにしても実におもしろい話で登場人物がそれぞれに魅力的。 新感線のレギュラー、橋本じゅん、高田聖子、粟根まこと、に加えて山内圭哉の軽快さは下手なお笑い番組よりもおもしろい(と私は思う) 早乙女太一の舞いや殺陣はさすが新劇大衆演劇の魅力を十二分に発揮したものだ。 抑えた演技がまたいい。 しかし、極めつけは上川隆也堺雅人、ほれぼれする。 堺雅人がこれだけ殺陣が上手いイメージがなかった。 笑顔の殺し屋って彼しかできないと思う。 話も舞台も音楽も演出全てすばらしかった!  あー舞台で観たかった。 終了は未定だけど、演劇関係者は必見の映画ですね。 作者の中島かずき氏は福岡出身。 福岡・九州地域演劇祭の「アカドクロ」の公演も観にきてくださったそうだ。  なんか・・・うれしいですね°+(*´∀`)b