「フランケンシュタイン」 映画シアタービューイング

teru10162014-02-21

2700円  TOHOシネマズ(ソラリア)

上演の情報を全く知らずに薙野さんに教えてもらってから行きたくてしょうがなかった。
ワンキャスティングしか観れなかったけれどかなりすごかった。
原作はメアリーシェリー、子どものとき、ドラキュラ、ミイラ男と並んでTVドラマみたいなのがあったような気がする。
本も読んだな。シリアスな作品とコメディ的な作品があったような。

人間の死体から人為的に作り出されたフランケンシュタイン
その容貌の醜さと知性、豊かな感情のアンバランスさが、彼を孤独に追いやり凶暴にさせた。
観たあとは重苦しいきもちにはなったけど、その演劇的な部分に圧倒された。
ゲキ×シネもそうだけど、やっぱり生舞台を観たくなる。

2011年の英ナショナルシアター製作の舞台。演出はダニー・ボイル監督。
主役の怪物と彼を作り出したヴィクターフランケンシュタインをB.カンバーバッチとJ.L.ミラーが交互に演じる。
この二人かなり人気のある役者さんだということ。
私が観た回はカンバーバッチ=怪物のバージョン、初っ端の生まれてすぐの演技がすごい。
人間の赤ちゃんというより動物のそれのような、意志と体の動きが連動するまで、のたうちまわってえぐいまでに体をよがませる。
次第に自由に動けるようになるまで目を離せない。そして皆から恐れられ、嫌われながら生きていく。
このあたり「泣いた赤鬼」とか「オペラ座の怪人」を思い出す。
ある盲目のおじいさんと知り合い、優しい彼からいろんな知識を学んでいく。
このあたり「奇跡の人」を思い出す。
おじいさんの子ども夫婦に殴られ、家を焼き払ったとき、ヴィクターに異性を作ってくれと頼んだとき、彼の狂おしいくらいの悲しみが胸を打つ。
自分だったら絶対に生きていけない、徹底的に孤独な怪物はそれでも懸命に生きようとする。このパワーはなんだろう?
逆バージョンは既に終わったあとだったので観れなかったけれど、J.L.ミラーの怪物の演技もすごかったらしい。

100人程度の座席数に半分くらい入っていたかな〜 この人たちって映画ファンというより演劇ファンだよね?
それにしても私のアンテナが低いせいでもあるけれど、あまり宣伝されてなかったような気がする。