「焼肉ドラゴン」 映画 

teru10162018-07-14


1100円  

原作・脚本・監督  鄭義信

2011年、日韓合同公演として、新国立劇場で上演された「焼肉ドラゴン」コ・スヒが肝っ玉母ちゃんを演じたのを思い出した。
あの頃スヒは、まだ若かったと思うけど、ものすごく堂々とした演技に圧倒された記憶がある。あ、私は北九州で観ました。
今も韓国で活躍してるんだろうな〜

1970年、関西のとある焼肉屋では、戦争で左手を失った金龍吉は妻英順と娘3人息子1人と平凡な生活を送っていた。
娘や息子のそれぞれの複雑な事情もあったけれど、悲しい現実とあきらめの別れがみなに迫ってきていた。
それでも、生き残った者たちは前を向いて生きていこうとする。。。

舞台と映画は違っているけれど、思いは同じように伝わってきた。何より舞台演出もした鄭義信さんが監督なんだから。
ディテールは違うところもあったけれど、家族のそれぞれの個性や周りとの関わり方が全く同じだった。
オモニ、アポジの二人の明るさと優しさ、4人の子供たちの思いやりとはじけ方、別れた明暗。
周りのひょうきんさ、涙涙だったけど、実に楽しくて面白い作品だった。

舞台では哲男役だった千葉哲也さんの存在感が大きかったのだけど、今回はそれを上回るほどの役を大泉洋さんが演じた。
娘3人はちょっと美人過ぎるだろうというキャスティングだったけど、華があってとても良かった。
時生のいじめや自殺のシーンは映画ではリアルに迫ってきたけれど、避けられない事実だったのだと思う。
なにより、舞台ではこれらは表現しにくい。映画ならではだ。

哲男と尹大樹のマッコリ飲み比べは舞台でも大笑いした部分だ。
それから静花を取り戻した哲男が尹大樹に太陽の塔のミニチュアを渡す部分とか。
オモニがアポジに「もう一人子供産めるよ」、と言う部分もすごく覚えている。
リアカーにどっかと座ったオモニにぎょっとするアポジ。最後に大笑い。
笑いっていつまでも記憶に残るのかもしれないね。

いい映画だった。韓国とはいい関係を今後も続けていけるといいと思う。


キャスト
静花    真木よう子
梨花    井上真央
哲男    大泉洋
美花    桜庭ななみ
長谷川豊  大谷亮平
尹大樹   ハン・ドンギュ
呉日白   ム・ヒチョル
時生    大江晋平
呉信吉   宇野祥平
美根子   根岸季衣
英順    イ・ジョンウン
龍吉    キム・サンホ  

左が舞台のパンフレット、右は今回の映画のパンフレット