「焼肉ドラゴン」 北九州芸術劇場中劇場

teru10162011-04-17

13時〜 4500円 日韓合同公演
作・演出 鄭義信 初演は2008年。 映像で数回観ていたが、生で観るのは初めて。 待ちにまった北九州公演だ。 出演者も全員同じかな? 胸がどきどきする。 というのも知り合いの役者さんを通じて、オモニ役の高秀喜(コ・スヒ)と福岡で一度会わせていただいたからだ。 そのころはほとんど日本語ができなかったスヒも今は日本語も堪能だ。 物語は在日コリアンの家族とその仲間たちが苦しい生活の中でも明るく希望を持って生きていく話。 日常でいろんな問題も抱えてはいたが、焼肉屋を営む龍吉と英順夫婦は4人の子供たちを愛していた。 男絡みで問題ばかりの美人3人姉妹。 学校でいじめられて不登校になっている長男時生。 なんとか乗り越えていくさまが胸を打つ。 だけど。。。 わかっていても時生が自殺するシーンでは涙がとまらない。 ラストの家族がそれぞれに離れていくシーンもむちゃくちゃ悲しかった。 時代の背景は70年代の大阪、日本は高度成長期の真っただ中。 万博も華やかに開催されていいた時期。 私が子供だった時代にこういうことが実際にあったのだと感慨深い。 私にとっては音楽や服装、流行語などはなつかしい日本のそれなんだけど、他国で暮らすってつらいだろうなと思う。 歴史にさっぱり関心がないので、パンフレットで済州島四・三事件とか金嬉老事件の詳細を見てびっくり、私ってほんと無知なんだな〜。。 スヒの演技はすごかった。 設定は40代だけど、実際はおそらく30代前半ではなかったろうか? あれだけ母親の気持ちを表現できることに感動する。 家族愛の強い韓国人ならでは演技だったと思う。 他にも日本や韓国の有名な役者さんたちが心を込めた芝居を魅せてくれた。 今回が公演の大千秋楽ということではないだろうか。 カーテンコールでの銀色の大量の紙ふぶき。 役者さんたちもびっくりしていた。 最前列で見ていた私にもはらはらとたくさんの紙の雪が・・・ スヒがカーテンコールのあいさつをして作・演出の鄭義信を客席から呼び出した。 わーー良かった!!! 初めて鄭さんを見た。 賞をたくさん受賞したこの作品。 地味だし、せつないし、おしゃれではないけれど、、多くの観客の感動を呼ぶ作品だったと思う。 ありがとう、心から。 呼んでくれた北九州芸術劇場にも感謝。 初めて入った中劇場の楽屋にどきどきしながらもスヒと再会できてうれしかった。 また日本に来てね(^^)