「のぞきからくり風一座」 住吉神社能楽殿

teru10162006-11-17

19時〜 2300円 奏天
渡辺ハンキン浩二さんがこの秋に怒涛の4連続公演出演にチャレンジし、その最後を飾る不思議なお芝居。”あなたがあなたを見る不思議、あなたがあなたを聞く不思議” なんともたゆたゆとした副題ではないか。始まるまで全然内容に見当がつかなかったが、始まったら演奏あり、歌あり、踊りあり、劇中劇もあってプチオペラ、プチミュージカルだ!もう大好きなジャンルのお芝居だ(^^)演劇としては俳優や演出のの技量的にそんなにハイレベルではなかったのかもしれないが(私はよくわからない)少なくとも奏天の座長の秋吉さち子さんはすばらしかったな〜!能楽殿を使うということで、履物は指定されてたらしい。素材が決まってる足袋。だから他の靴をつかう部分は舞台横の一画にケーキ屋さんの店内をしつらえ、そこで芝居があった。実に人間ぽいお芝居が風という擬人化されたものでさらにクローズアップされる。人の心を読めるという世にも恐ろしい能力を備えた薫はこの風たちを引き連れ全国をまわる旅芸人だ。龍に許されて生まれ故郷に戻ってきた薫をおさななじみの元が迎える。彼もまた心を病んでいた。劇中劇の巧みさに唸ってしまう。自分でも気がつかなかった気持ちを呼び出してくれる、不思議な劇。この脚本家の発想はとても意外性があり、笑もあり、2時間飽きることがなかった。衣装も歌も演奏もあまりお芝居を見ない人に対して、やさしく語りかけるもので安心して観ることができた。ほめすぎるつもりはないけど、他の人に見て見て〜!といいたい公演であった。