「春の鯨」 西鉄ホール 

teru10162009-04-12

15時〜 共通チケット13000円 アルカス演劇さーくる×劇団HIT!STAGE
アルカス佐世保は一回行ったことあるけど、とてもきれいで近代的(というか前衛的な建築物)でインパクトがある。 ここがバックアップしているのがアルカス演劇さーくる。 HIT!STAGEを始め、佐世保の演劇人が集っているらしい。 地域の演劇環境はそれは厳しいはずだ、人材的にも公演環境的にも。 アルカスのように公的なバックアップがあるのはとても心強いだろう。 去年、HIT!STAGEの舞台を始めて観た時、あまりの感激に佐世保の友達に連絡しまくった記憶あり。 もともと佐世保の近くの出身なので、長崎県にはかなり思い入れがある。 中央の劇団にはない素朴さや必死さがあるような気がする。 今回の作品は2006年の再演らしいが、当時タイムリーで清峰高校が甲子園で活躍をしていた。 惜しくも決勝では大差で負けたけど、西のはじっこの県が準優勝旗をさらうなど誰も考えていなかった。 奇しくも同高が今年選抜優勝をしたのだけど。。。 事実は小説より奇なり。とはよく言ったものだ。 清峰の試合は芝居の味つけなのだが、メインは地元佐世保に住む地味な家族とその周りの人々の話し。 東京に行って帰郷した陽子は垢抜けている。 それをうらやむ紫(ゆかり)はいずれ上京したいと思っているが、姉(緑)、父は反対する。 清峰の大敗の日に思いを募らせた紫は近くの川(何て言ったっけw)に飛び込むのだが、川のカミサマである鯨が助けてくれる。 回顧部分にも出てくるのだが、鯨は守り神。 お稲荷さんみたいなものか? 若干SFっぽい内容で、家族の葛藤のどろどろを鯨が救った感じでほんわかに結ぶ。 現実はそう甘くはないのだろうけど、いいよ、いいよ、めちゃくちゃ不器用な父が哀れだった、姉も決して素直とは言い難いが、筋は通っていて心地よかった。 陽子の罪は救いがたいものだったけど、誰にでもありうる現実として逃げずに書ききった作者に脱帽。 飛ぶ劇の葉山さんが出ていてちょっと驚いた。 どういう繋がりで出るようになったのかわからないけど、役に非常に合っていた。 前回は違う役だったらしいが。 今回もほんとに味のある良い芝居だったと思った。 アフタートークでアドバイザーの岩松了さんと森さん、田原さんのトーク。 ちょっとちぐはぐだったけど、作品に対する思いは十分に伝わった。 今度はアルカスでHIT!STAGEの舞台を観てみたい。