「些細なうた」 西鉄ホール

teru10162013-04-26

19時半〜 2000円(特別先行割引)  非・売れ線系ビーナス
脚本:田坂哲郎 演出:木村佳南子
非・売れの作品、進化してるね〜 面白かった〜♪  木村さんの演出がとてもいい感じだ。
と単純に面白がるだけではなくて、なんだか心の深い奥底に沁み込むような作品で田坂さんの読み込みを感じた。
笹井さんは聞いたことはあったのだけど、おそろしく普通人な私は「よくわからない」とあまり読み込むことがなかった。
「些細なうた」は彼の短歌によって起き上がれた一人の青年を通して彼を際立たせている。
彼の短歌を読んでみたいと思わせる。

30歳のカゲフミ(鶴賀皇史朗)は5年も引きこもっている。
仕事でつまづいた模様だが、インターネット上の笹音(北拓晃)の現代短歌に癒されている。
ただし、ゲームの世界にもひきずられているようだが。
笹音や両親(岩城朋子、福澤究)、旧友、ナナセ(成清暁子)たちに励まされ一歩を踏み出そうとする。

妄想中の彼やゲーマーとのやりとりが面白いし、3匹のネコたちも可愛い。
両親も愛情あふれていて、なんかいいなぁ〜 お母さんが「カゲフミは引きこもりじゃない」っていうのがじーんとくる。
お父さんとの会話もちょっと涙じわっときた。 友達が少ないワタル(ぽち)に家庭教師で宿題を教えるって設定もいい。
同時にタサカ(田坂哲郎)とNHKのトロワ(林良子)さんとの打ち合わせの様子は”これはなんだろう?”と思ったのだけど、パンフを見ると、
「些細なうた」はラジオドラマで上演されていたものらしいから、実際の話なのね。トロワさんも実名かもw
それにしてもNHKっていっぱい解釈の仕方があって面白い♪ 田坂さんは本当に作家だな〜

鶴賀さんはおよそ引きこもりとは縁のなさそうなパワフル男子なんだけど、観ていると実在しそうな気がだんだんしてくる。
上手い役者さんだ。 ナナセのあっけらかんとした励ましははらはらするものの温かいなと思った。
焼肉店員さんの腰の振り方にちょっと笑った。
照明や映像で短歌の世界を表現したりと全体的に幻想的できれいな舞台だった。

カーテンコールで物販の紹介やご結婚報告(!)などなど・・田坂さんおめでとう!(^^)v