「そう遠くない」 博多リバレインホール

teru10162013-11-03

14時〜 ペア券一人1700円 非・売れ線系ビーナス

脚本:田坂哲郎 演出:木村佳南子

博多リバレインホール、100席あるかな? 舞台もこじんまりとして臨場感がある。
舞台はどこかの喫茶店のようなバーのような。カウンターがあってテーブル席があって。
昔ばぁくうで観たような感じの舞台装置、ちょっとジーンとくる。

近未来、福岡市南区では軍用飛行機が低空飛行をしている。
その空港を観れる喫茶店がここ油山にある。
祖父が始めた「基地を見張る喫茶店」その祖父は反基地運動の先駆者でもあった。
基地に補助金もらいながら後ろめたい気持ちを持ちながら、オスプレイ目当てのマニア客や活動家などに
コーヒーやカフェオレを提供する若い女性店主の気持ちは微妙に揺れ動く。。。。

南区には基地はない、那珂川との確執もたぶんない。 すごい大胆な設定に驚く。

パンフを読むと沖縄の基地をモデルにしたものらしい。
そして、ここがそうならないとは限らないという謎かけ。
これはなかなかすごい社会問題提起の作品であったと思う。

活動家の二人の女性のうちの一人と偶然?の再開をした実兄の基地への復讐とか、
結局活動中に事故で亡くなる妹。その幽霊とロボットであるから会話ができるロビタ。
すっごい設定ながら臨場感が半端ない。
ロボットとか幽霊とか非現実的なこともこの展開の中では普通に見えるのがすごい。

茶店店主(柳暁子)、早良区の自衛組員(成清暁子)、活動員境泰子(遠矢美咲)の三人が新人。
でも新人らしからぬ演技で驚く。 新人といっても経験のある三人なんだろう。
ロボットのロビタ(ぽち)、泰子の実兄役(ケニー)、オタクっぽい活動家もどき(田坂哲郎)
それに洗脳される鹿島(稲田小百合)おもしろい人物設定だ。

終始、リアルな芝居に徹していて、笑う部分はほんのちょっとだったけど、私はこの非・売れ好きだな。
自衛隊を有する春日市民としてはちょっと、むむむ。。という部分もあるのだけど、
田坂さんとか木村さんの思いが十分伝わってきたような感じがする。

そう「遠くない」んだよね・・・