「誰がためにも歯車は回らず」 ぽんプラザホール

teru10162014-06-13


19時半〜 2000円(ペアチケット1人分) あなピグモ捕獲団

脚本・演出 福永郁央

福永さんの切ない思いにはいつも共感する。年齢も性別も違うけれど。
手書きの挨拶文は一見乱暴だけど、切々と訴えるものがあって熟読してしまう。
今回は「辞める」ということに関してひとくさり。ちょっと素直な感じが変だな(笑)
偶然だけど私もいろんなことを「辞める」タイミング、きっかけ、判断等に迷っている最中で非常に参考になった。
影響されたわけではないよ。そして飾らない彼の作品を役者たちが表現する。

舞台は中世風なたたずまいで手作りと思われる木製の椅子やベンチが数脚。
衣装も手作り風の素朴な素材でちょっと独特のユニークな模様がそれぞれに入っている。かわいい。
会話からしてもやはりヨーロッパ中世紀のようなイメージがあるのだけれど、
ばりばりスマホを多用していて、やっぱり現代なのか。

ストーリーはあまりぴんとこなかったのだけど、大きな歯車とか時計台とかがキーワードになっていた。
悩める主役はやっぱり大竹さん。汗かきの彼の演技は熱くて大好き。
ときどきもっと力を抜けばいいのにと思わなくもない。
ラストあたりで紙幣をばらまくシーンがかっこよかった。
そしてトキオはキーパーソンでありながら大人しかった。
役名にインパクトあるよね,あひるなんちゃらの根津茂尚さん。

あなピの三人姉妹(石井亜矢、遠藤咲子、ますだようこ)は魅力的だな〜 
それに加えて、古賀今日子、立石義江、伊藤綾、馬場阿紀子、野中双葉の女優陣が彩りを添える。
よくぞこれだけ集めたと思われる役者たちに圧倒された。
男優陣は大竹謙作、中村卓二は馴染みの役者さん、それ以外の方はあまり見覚えがないけれど、
手島(窪田伸彦)の危ない感じと冨樫(貝谷聡)の奇抜さには注目だった。

たくさんの出演者だったけど、アンサンブル風の動きなどとてもきれいで、
衣装、照明、音響、映像などがぴったり溶け合っていて絵画を見るかのようだった。
最初の映像による役者紹介が良かった。
どんな形でもいいから(アンコール場面でもいいし)役者さんの紹介はしてほしいな。
それができなければ、ちらしに写真、役名、役者名を明記してほしいです(観客的希望)