「地下室」 西鉄ホール

teru10162014-06-14


19時〜 3500円 サンプル+青年団

作・演出 松井周

舞台は題名の通り、地下室と思われる一室。上手に地上にあがる階段がある。
テーブルやいす、物置など。壁には子供が書いたような似顔絵がたくさん貼ってある。
そして上手に大きな電話ボックスのような部屋がある。「morio」と看板がある。
下手には水槽、そこからポンプのようなものが繋がっている。

ここは自然食品の店、看板商品は「水」店長夫婦と水を作る息子や、いきがいを求めてやってきた
新人女子、店長の片腕の自転車好きな男性、美人だけど何を考えているか不明な先輩女子。
彼らは住み込みで共同生活をしている。水の効果を謳い、取材も受けて良好な経営かと思いきや、
その変態性が徐々にあきらかになってくる。そして亀裂が入り始めた共同生活は破綻へと向かっていく。

かなり衝撃的だった。息をのんだり、嘔吐しそうになった場面が多々あった。
表面上は普通の店なのに、その裏側のすさまじさをこれでもかと叩きつけてこられて恐かった。
具体的には新人の女の子に対する徹底的ないじめ、それでも辞めない絶対的な信頼を店長に認められて
あだ名をつけてもらい「儀式」を行う。もう唖然。。。完全なカルト社会。
言動や行動が少しおかしい息子が「morio」の作業部屋で水を作っている。らしいのだがいったいどうやって?
明らかな障害のある息子だけど、まともそうな周りの人間もある意味障害者ではないのだろうか?
「おしぼり」と称して息子の自慰を手伝う女性、気持ち悪くてしょうがない。
息子の排泄物を食べる店長、あやしいブローカーから大量に買ったのが胎盤。。。モウダメ。

そんなことろばかりに目がいってこの作品のテーマを見失いがちだったけれど、
本当にこんなところがあるのだろうかとも思ったけれども、
新聞で見る記事はやはり同じだった。世の中恐い。
いやな部分ばかり見せられて若干憂鬱な気分になった。
が!! アフタートークで松井さんと店長役の古舘寛治さんの妙に明るいトークを聞くと、ちょっと気分が晴れた(笑)
初演が2006年、反響は大きかっただろうな〜 

観るのはきつかったけれどこれを観せたい人が数人浮かんできた。推奨するには勇気がいるけれど。