「サンゲツキ」 福岡市立 中央市民センター

teru10162016-06-14


19時〜 2250円(ペア券一人分) 14+

原作:山月記中島敦
作 :川津羊太郎
演出:中嶋さと

14+の音楽劇、ちらしには手島さんの雄姿が。
そっか、ロックだな、と思っていた。
いや、ロックというよりやっぱり音楽だ。
妄想の中の4人が踊り歌うのは不思議な世界のまっただなか。
こんな大きな舞台で14+を観るのは西鉄ホール以来かしら?

有名な作品らしい山月記を知らなかった。中国の古事を元に中島敦が書いたもので、教科書にも載っていたらしい。
今更ながら勉強してないことがばればれである。
人間が虎になってしまう話というより、人間の持つ「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」という
相反する二つの心を表したものらしい。
本当に今更だけど、この歳ででも知ってよかった山月記。14+に感謝である。

現代劇に直したサンゲツキ。
生まれつきの天才で学校では常にトップだったサトナガ、一流企業に勤め結婚もした。
だが、友達といえるのはエンドウのみ、周りから嫌われていた。
幼馴染で就職も同じ所に入ったエンドウは心からサトナガを心配するが、
サトナガの言動は優しさのかけらもない。
突然ひきこもったサトナガは妄想の世界から逃れられなくなり終に虎へと変貌する。
サトナガを助けようとエンドウは必死になる。。。

それにしてもエンドウの心根の優しさには驚く。
なんとさげすまれてもサトナガを支持する。
どうしたらこんな人になれるのだろうか。。
サトナガには誰でもなりえる、エンドウになれる人はそうそういない。
妙なところに感動したかも。

14+の村上さんはいつもは越後屋みたいな役が多いのに今回は人情家エンドウ。
道化を含めていろんな役をこなせる村上さんがすごいね。
そしてサトナガ役の手島さん。
汗まみれ、鼻水まみれ、よだれまみれの演技にはことばも出ない。
終演後に声をかけたかったけどそれも畏れ多くて。ザンネン・・・・

舞台には大きな力と感動をもらう。

たった一公演でもったいない限りだけど、学校での公演も可能ということらしい。
最近、ネット離れな私だけどもっと宣伝しないといかんねぇ〜ゴメンナサイ

キャスト
サトナガ  手島曜
エンドウ  村上差斗志
道化    ともなが舞
      吉田忠
      下村結香
      宮木秀明