「八月のこどもたち―劇団NOISE・91夏・ワークショップの記録」 福岡市赤煉瓦文化館

19時〜 演劇書を読む会

如月小春著、1995年


兵庫県立こどもの館で初めて出会った23人の中学生たちと、如月小春+劇団NOISE俳優たちとの、ひと夏をかけた熱い劇づくり。
演劇ワークショップに先鞭を着けた、子どもたちの個性が輝く感動の記録。 脚本[夏の夜のアリスたち]併載。(薙野さん解説より)

ワークショップの読み物としてとてもおもしろく、さっと読めた。
27年も昔の話しだけど、当時の中学生も勉強や部活で忙しく、よくぞ夏休みの間にこれだけのWSをやりこなせたなと感心。
ひとえに如月小春他の俳優たちの熱意があったからだろう。
一人一人に焦点をあてていき、舞台作りを試行錯誤して自分たちで作り上げたものは何ものにも代えがたい財産だろう。
逆にうらやましい限りである。

彼女や俳優たちの思いや悩みが記録で甦ってくる。こういうものは残しておくべきだね。
私は春日市のジュニアドラマセミナーでも後藤さんたちのご苦労を少し読んでいたので、
どれだけ大変でどれだけ充実感のあるものかが想像できた。

今回は3名の参加だったので読書感想ほかにいろいろな話しができて面白かった。

如月小春は薙野さん一押しの演出家で、残念ながら早逝されているが、そういう方の記録が読めて良かったと思った。


如月小春 略歴〕
劇作家・演出家。エッセイスト。1956年東京生まれで2000年に44歳で死去。
東京女子大学哲学科卒業。東大演劇サークルと合同で劇団「綺畸(きき)」を結成し、演劇活動を始める。
82年同劇団を退団。83年に演劇集団「NOISE」を旗揚げ。
『DOLL』、『MORAL』など演劇に実験的手法を持ちこんだパフォーマンスが人気を集め、
1980年代の小劇場ブームの旗手の一人として活躍した。
劇団活動の一方、アジア女性演劇会議実行委員長、日本ユネスコ国内委員会委員などを務め、
また、NHK「日本語再発見」のレギュラー、NHK-BS「週刊ブックレビュー」の司会も務めた。
著書に「如月小春のフィールドノート」「私の耳は都市の耳」「都市民族の芝居小屋」など。
戯曲集に「如月小春精選戯曲集」、エッセイ集に「都市の遊び方」などがある。
アルバム「都会の生活」や坂本龍一プロデュースによるシングル「NEO-PRANT」を出した。(薙野さん解説より)