「マメな男」 春日市ふれあい文化センターサンホール

2022年2月13日(日)

14時~  1800円  劇団 go to

作・演出 後藤香

父親嫌いな高校生と、父親になりたくて恋人に別れを告げた青年と、 
歌手を名乗る女性。 田舎町の山裾にある、小さな神社で、三人は出会う。
それぞれの罪を隠し、救われようと祝詞(のりと)をあげる三人。
「穢れをはらい、望みをかなえてもらおう」 祝詞の腕はどんどんあがっていき、
ついには神社の神事で代表して 読み上げるはめに。 
だが、彼らは隠したままだった。自分の罪を。
(こりっちより)

go toの公演は脚本がとても深くていろいろ考えさせられる。
ひとえに後藤さんの経験が多岐にわたっていてそれを掘り下げているからだろう。
前回の「愛の賛歌」もそうだったけど、いろんな年代の観客に向けて
いろいろ語りかけてくる。でも、ちゃんと笑わせてくれる。
初見の若い役者さん2人と後藤さんだったけれど、いい絡みだった。
 
今時の高校生でもあるし、自分の未来を悩んで考えている詞音(ことね)
千香の友人美月の元彼の倫人(のりと)は祝詞に詳しい。
詞音の父は千香の同級生。そして千香は介護が必要な父をかかえている。
なぜ、千香が地元の祭りを再開したがっているのか、倫人がなぜ祝詞
練習するのか、詞音がなぜちょくちょく神社に来るのか、
3人の事情が複雑に絡み合い、祝詞が響く。
家族や地域のことはわりにすっと頭に入ってくるのだけど、
3人の悩みはなかなか理解しがたいものがあった。
父の介護が必要な千香には少し感情移入したのだけど。
それでも、人はいろいろ悩んでいるんだな、ということがわかった。
そして、今回の祝詞は半端なく稽古したあとがみえる。3人ともすごい。
まるで音楽のようにハーモニーを奏でていた。

閑話休題
私にはふるさとがない、大学生のときに一家で福岡に引っ越してきてからは
ここがふるさとみたいなもの?地元にもなじまないし、知り合いもいないけど。
結婚後に住んでいる現住所はもう40年になるのになんだかまだ居心地がよくない。
そういう人も多いんじゃないかな。

カーテンコールでは後藤さんがやっと公演ができるようになって嬉しいと言われた。
私もとてもうれしい。役者さんやスタッフの人たちのご苦労がしのばれる。
感染者が出たといっては公演中止になったり延期になったり。
マスク着用、オンラインで稽古したり、消毒しまわったり、検査を繰り返したり。。
考えただけで気持ちが落ち込む。

これからもそういう状態は続くのかもしれないけれど、また笑って舞台を観れるよう、
見送りの役者さんたちと笑い合えるよう、そんな日がくるまで頑張りましょう。
あ、タイトルの「マメな男」・・・う~~ん??


キャスト
風間千香  後藤 香(劇団 go to)
水嶋倫人  服部 泰伸 
山﨑詞音  福田 菜々子(劇団 go to)

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