「極付 国定忠治」 福岡市立博多市民センター

2024年3月21日(木)

19時~ 演劇の映像を観る会  

新国劇「極付 国定忠治」 (作:行友李風、1980年、1時間25分)
「赤城の山も今宵を限り」― 昭和期に圧倒的な人気を博した
大衆劇団「新国劇」の代表作。
出演
国定忠治辰巳柳太郎 川田屋惣次:島田正吾 山形屋藤造:緒形拳 ほか
(薙野さんのレジュメより)

前回の演劇書で読んだ「ふり蛙」著者島田正吾氏出演の「国定忠治」を見た。
時代劇はあまり見ないので40年前の作品ながら新鮮な感じで観れた。
画質は別として、殺陣などの動きは現代の時代劇とも変わらない感じだ。
それにしてもやっぱり迫力がすごい。メイクも力が入ってる。
大衆劇団というから、そんなにお金持ちでなくても楽しめる、
一般大衆向けの娯楽だったんだろうか。

主役の辰巳柳太郎はすごくかっこよかった。島田正吾緒形拳なども
本で読んでいたせいか、当時の新国劇の隆盛を感じさせる。
タイトルに「極付」がついているのはなぜだろうか?


演劇の映像を観る会は、奇数月の第3木曜日に開催しています。

 

「三途の川のクチコミ」福岡市美術館ミュージアムホール

2024年3月17日(日)

13時~ 3800円(ペア券 1人分)万能グローブガラパゴスダイナモ

作・演出  川口大

言わずと知れた三途の川、亡くなった人が渡るというアレ。
そこに集まった現代人は口コミがないと川など渡れない!
そこで、天国の天女やら地獄の鬼たちが口コミを集めてまわる。
初めてのスマホSNSに振り回される鬼たち。
最後には一番大事なことに気が付く、という笑って泣けるコメディ。
さすが川口さん!

SNSに振り回される前に疲れ切って、最近はスマホはLINE、
PCはブログアップだけで開いているような。。。。
FBもXもインスタもたまに見るだけ。昔はもっとやっていたのにな~
しかし、今回の作品を見るにつけて、みんなそう思っているのかなと。
口コミとかフォロワーの数とかいいねの数とか。

「選択肢が多すぎる!と思いません?」という問いかけには
そうだっけ?とは思うのだけど。
失敗も必要だと思うから、何でも口コミより勘で選ぶことが多いかも。

それにしてもいつもながらの楽しいキャラクター達だった。
それぞれの面白さが際立っている。
アンケートにも書いたけど、かなわともみじのやり取りが一番心に残った。
実に可愛い二人の揺れ動く心が泣けたし笑えた。友達って最高だね。
椎木パパも実年齢はまだ若いのに、娘や息子を思うさまに感動したよ~~
準レギュラーの英さんもいい役柄だけでなく、陰での舞台操作を
頑張っていたとは!ほんとにえらい!

生コメを見ながら大笑いした。生コメは楽しいがここで川口さんが
見れるのが一番うれしい。
そして、ゲストは以前出演していた中村豪志さん。
ちょーかっこいい
9月の公演のチケットも購入「月ろけっと」再演。楽しみ~~♪


キャスト
薫     椎木樹人
天女    石井実可子
あまの先輩 西山明宏
人間    澤栁省吾
帆村果実  つじむらかほ ←アナグラムだ!今気がついた
八千代   千代田佑李
閻魔ご   青野大輔
もみじ   富永真由
かなわ   樅山幸音
人美    杉山英美

 

「御菓子司 亀屋権太楼」北九州芸術劇場小劇場

2024年3月16日(土)

13時~ 3500円  MONO

作・演出  土田英生

江戸時代から続いてきたらしい和菓子屋「亀屋権太楼」が、
経歴の捏造に端を発した騒ぎで存続の危機に立たされる。
新しい社長は評判の人格者。彼なら道を誤らないはずだ。
店、家族、そこに関わる人たちの10年間。
(公式サイトより)

私はサラリーマンの家系なので、自営とか経営者とかいう方たちの
苦労がわからない。ニュースでみる、後継者問題も大変なんだろうなと思う。
和菓子屋の10年間、先代が引退して後を継ぐ→経歴詐称の問題が発覚→
新発売のお菓子が売れる→カフェも併設してますます好調→売れ行きが落ちる→
閉店する。
まるでジェットコースターのようにあがったり下がったりするのは
現実味のある話だ。
経営者の手腕だけで解決するわけではないし、舞台には出てこなかった
先代の人となりも、なんだか悪いこともするけどいい人にも思えるし。
誇りを持った従業員たちもそれぞれに苦悩している。
他人でもそうなのに、血のつながった親子や兄弟の問題になればなおさら
苦しい思いを抱える。
一攫千金を夢見た若者は悪いやつに騙される。
切なく苦しい展開を超えて、それでも人間は生きていくんだという
前向きなメッセージなんだろうか。

それでも4年ぶりのMONOを楽しんだ、「わち、わち」と土田弁がおもしろい。
舞台のセットがコンパクトだけど凝っていて、椅子が壁から出てくるのがゆかい。
場転の手順、大変だっただろうな。
土田さんはいつも悪者か情けない人役w  それでも出演してくれてうれしい♪
ロビーで売っていた「はしけやし」やっぱり買えばよかった~~
初MONOの友達を誘って観にいった。気にいってくれたら嬉しいな。

キャスト
田代祐吉   尾方宣久
田代吉文   水沼 健
田代早紀   立川 茜
道場俊    金替康博
青山和真   奥村泰彦
奈良原瞳   高橋明日香
北川泰生   渡辺啓
佐倉玄    土田英生

 

「トッツィー」 博多座

2024年3月13日(水)

12時~ 15500円  東宝

音楽・歌詞   デヴィッド・ヤズベック
脚本      ロバート・ホーン
演出      デイヴ・ソロモン

俳優のマイケル・ドーシー(山崎育三郎)は、演技へのこだわりと熱意は
高いが、演出家やスタッフと揉めてしまう、性格に難ありの俳優。
女性に扮してミュージカルのオーディションを受けたら合格し人気者に!
共演者のジュリー(愛希れいか)に恋してしまったが・・・・

ミュージカルは見る前からわくわくする。
音楽も楽しくて素敵だった。
そして、育ちゃんのドロシー役にホレボレ・・・・(´∀`*)
とにかくスタイルがいい、足も長いし、体のラインが実に女っぽい。
さすがに顔立ちは、きれいだけど逞しい男性のものだw
でも、それを赤いメガネで隠して作るしなは女性そのもの。
声は。。まあしょうがないね
そして元カノのサンディ(昆 夏美)のハチャメチャさが可愛い。
よくこれだけのセリフを覚えたものだ。
同居のジェフ(金井勇太)もほんとの親友ということがよくわかる。
このキャラクター好きだなあ~
そしてヒロインのジュリー(愛希れいか)がかっこいい!
元ヅカの娘役だということだけど、力強くて男役かと思った。
ベテランのリタ(キムラ緑子)やスタン(羽場裕一
おバカなマックス(岡田亮輔)もいい味を出していた。
笑えるミュージカル最高!

ストーリーは最初はどうなるのかわくわくしたけれど、ラストは
ちょっと尻切れトンボの感じで残念だったかな~~
まあ、現実だって、きれいにすっぱり終わるわけでもないしね。
育ちゃんや夏美ちゃんの歌ももう少したくさん聞きたかったな。
と言いつつ、ナンバーリストを見たらたくさん歌ってるんだ。アレ?
タイトルの「トッツィー」とはスラングっぽいことばらしくて、
劇場に注意書きがあった。ん-不適切なセリフ?があるかもしれないけど、
原作に忠実であった、とかなんとか。。。
大変だね。。。。

いいお席で堪能できた。
私的にはミュージカルは1に歌、2にビジュアルだな~~

キャスト
マイケル・ドーシー/ドロシー・マイケルズ  山崎育三郎
ジュリー・ニコルズ   愛希れいか
サンディ・レスター   昆 夏美
ジェフ・スレーター   金井勇太
マックス・ヴァン・ホーン   岡田亮輔
ロン・カーライル    エハラマサヒロ
スタン・フィールズ   羽場裕一
リタ・マーシャル    キムラ緑子

 

「鮭なら死んでるひよこたち」 なみきスクエア大練習室

2024年2月17日(土)

14時~  3000円(キビる割り)  第21回AAF戯曲賞受賞公演

戯曲  守安久仁子
演出  羊屋白玉

色づけされたことに気づかず鳴くひよこや、
産卵後に死ぬサケ等のイメージから人の性(さが)や
巡る命の不思議さに人生観を織り交ぜた物語
(公式サイトより)

キビるフェスの参加作品
まず、タイトルとチラシの斬新さに惹かれる。
手書きで色付きの文字。なんだかわくわくする。
初っ端からリモコンの列車、鮭とひよこが乗っている。
シュールだ。
舞台中央にシーソー、夫婦らしき二人の登場。
何やら深刻なストーリーを予想させる言動や行動?
かと思っていたら、時々はさまるスタンダップコメディ
ちょっとほっとするけど、緊張は途切れてしまう(^^;
まあ、でも各人のコメディは実に面白かった。
まさか創作ではないだろうけど、リアルなプライベートの話。
ほんとなの?という内容で驚く。
登場人物たちもとても個性的な人ばかりで目を惹く。
若い演劇人?リンノスケくん、戦うアーティスト遠藤麻衣嬢、
おじいちゃん!神戸浩殿、フーちゃんスズエダフサコ姫、、
そして我らが田坂哲郎様、白玉さんの演出に全く負けてない面々で
面白かった!いやー白玉さんもすごい!

終演後にキビるカフェが開催された。スタッフ含めて9人。
あの行きたかったパンケーキ屋さん♪
作者の守安さんも来られていて作品作りの話など聞けてとても
面白かった、ひさしぶりにこういう演劇後の集まりに参加できて
嬉しかった。同じ思いや違う見方をいろいろ話せて感動した。
ありがとう!AMCFの皆様、柴山さん(^^)

キャスト
遠藤麻衣、神戸浩、スズエダフサコ、
 田坂哲郎(非・売れ線系ビーナス)、リンノスケ(きっとろんどん)

 

「ふり蛙―新国劇70年あれこれ」福岡市赤煉瓦文化館

2024年2月15日(木)

19時~ 演劇書を読む会

島田正吾

1987年秋、ひとつの劇団が70年の歴史の幕を閉じた。義理と人情、迫力ある殺陣、
男っぽさを売り物に、一時代を画した劇団「新国劇」である。
19歳で入団以来、創始者沢田正二郎亡きあと、盟友・辰巳柳太郎と手をたずさえて、
大衆演劇にかけた師の理想をみごとに開花させてきた著者が、
試行錯誤の青春時代、師の思い出、幕のうちそとでのさまざまな出会いを語る。
(薙野さんのレジュメより)

とても読みやすく、面白い本だった。
島田正吾さんはテレビで見ているはずだ。ごく最近まで活躍されているようだし、
最後の方の番組には見覚えもある。
新国劇の舞台はわからないけれど、この本を読むと長い歴史にたくさんの人が
関わっているのがわかる。
昔の作家や演出家、そして役者たちがいろんな形で関係してきたんだな。
島田氏の文章は気負いもてらいもなくて、淡々と歴史の真実のみが
書かれていて、想像する部分はそのように書かれている。
島田氏自身は長生きされていて、多くの人を見送ってこられた。
その追悼の文章もまとめられていて、温かい人脈であったことがわかる。
先に逝くのも後に逝くのも同じことだけど、文章に残せる人が後のほうが
いいかなと思った。

演劇書を読む会は、偶数月の第3木曜日に開催しています。



「二月花形歌舞伎」 博多座

2024年2月7日(水)

11時~  5500円  製作 松竹

一、江戸宵闇妖鉤爪(えどのやみあやしのかぎづめ)

明智小五郎と人間豹
市川染五郎大凧にて宙乗り相勤め申し候

色男で道楽者の下級武士神谷芳之助の恋人が、
何者かによって惨殺される。肩には鋭く咬まれたような傷があった。
明智小五郎は、それらを同一犯の犯行とにらみ、人を食い殺す
“人間豹”の仕業と見極める。次の狙いが自分の女房であると
わかった明智は、人間豹・恩田乱学に敢然と立ち向かう。
(公式サイトより)

面白い演目だった。歌舞伎でやるのには最高なんじゃないかな。
こういうおどろおどろしい作品は歌舞伎にうってつけだ。
人間豹のメイクが最高だね。ボンボンの芳之助と2役の染五郎丈が
鮮やかに入れ替わり立ち代わりで演じるのを観るのが楽しい。
かつては恩田乱学を演じた幸四郎丈が明智小五郎の名演技。
舞台はこうやって引き継がれていくんだな~
ラストの斜めに大凧で宙乗りをする恩田、なんと3階席上手の
私の席の前に飛んできて数十センチメートルの近さに!
思わず叫んでしまったのは私だけではないので。。。笑
また明智小五郎を読んでみたくなった。

明智小五郎   松本幸四郎
恩田乱学/神谷芳之助   市川染五郎
芸者お甲/女役者お蘭/明智の女房お文   河合雪之丞
目明し恒吉   大谷廣太郎
老婆百御前   片岡千次郎
小林屋新八   澤村宗之助
居酒屋主吾兵衛   松本錦吾
与力畔柳半左衛門/蛇娘お玉  市川高麗蔵

二、鵜の殿様(うのとのさま)

西川右近の振付により「名古屋をどり」にて初演された狂言仕立ての松羽目舞踊

盛夏の季節。とある大名が暑さをしのごうと、家来の太郎冠者へ
「鵜飼」という涼の遊びを披露するよう命じます。
早速、鵜飼の由来を語る太郎冠者。腰元たちを鮎に見立て、
鵜が鮎を捕る様子をみせますが、やがて大名も鵜飼遊びの真似事に加わります。
そこで太郎冠者は、鵜飼をよく知らない大名に鵜の役を、
自身は鵜匠となって、鵜飼ならではの漁法のやりとりを指南するのですが…。
(公式サイトより)

舞踏の時はうとうとすることが多いのだけど、今回は楽しかった♪
一応、イヤホンガイドは借りるのだけどそこまで難解なセリフは
なかったような気がする。
軽快なリズムに乗った舞踏で腰元たちの可愛さも引き立つ。
鵜飼は近くでは日田で行われている。もう長いこと見ていないけど、
今年は見にいってみようかな。

太郎冠者 松本幸四郎
大名   市川染五郎
腰元   河合雪之丞
腰元   澤村宗之助
腰元   市川高麗蔵

とても楽しくて見ごたえのあった歌舞伎舞台だった。