「セチュアンの善人」 パピオビールーム

teru10162007-10-28

13時〜 3500円 東京演劇アンサンブル (広渡常敏追悼公演)
この公演は星野さんに教えていただいた。よく行くところの演劇のちらし折込に入ってないものは情報がない、だから電話やメールで公演情報を教えてくださる方々には大変感謝している。ここのところFPAPの公演情報サイトが荒らしで閉めていたせいもあり、情報をまとめることができなかった。やっとのことでアートリエでゲットしたちらしは実に地味で演出家の「広渡常敏を語る会」が前面に出ている。残念ながら土曜昼公演のあとにあったので参加できなかったが公演を見れたことは実に幸せだった。ちらしに書いてあるような木切れを打ちつけた十字架を模しているような舞台。この狭い場所で実に幅広い演劇をやってくれた。ブレヒトが著名な舞台作家だということは初めて知ったが実におもしろく新鮮だった。人の深層心理に深く入り込むような、善人と呼ばれる人々の苦悩が、とてもよくわかった。私個人で考えるに善人なんてありえない。妬みや恨み、嫉妬や怒りを持っているのが人間だと思うし。だけど根っからの悪人もまたいないと思うのだが・・・シュイ・タの仮面をかぶったシェン・テはまさしく普通の人間だった。善人(?)のシェン・テは貧しい人や困ってる人を助けずにはいられない。だから自分で自分の首を閉める結果になってしまうのだが・・それではだめだ、と思った転機がまさにお腹に宿った子供だったのだ!いつも思う、生命の神秘はあらゆるものを超える。この素晴らしい脚本を演じた役者も素敵だった。特に主役のシェン・テ役の桑原睦さんはまっすぐでとても美しかった。観てよかった、と思う公演だったのだが、残念なのが、観客がほとんど年配の方ばかりだったこと。昔、市民劇場で呼んでいたところらしいので、今回もその流れで「東京演劇アンサンブルを観る会」というところが招致したものらしい。地元の若い演劇関係者に見てもらいたい公演だった。また来てくれるだろうか。