「ヴェニスの商人」 白金能楽堂

19時〜  九州小劇場
公演のお手伝いをちょっとしたので、ラスト公演を見せてもらった。稽古を2回見せてもらって感触だけは分かっていたけど、全体を観ると全然違う。衣装も舞台栄えするし、音楽や照明などが美しい。ここ、白金能楽堂は住吉能楽殿をコンパクトにしたようなところで、ビルの2階にある。前日に初めて見たときはほんとにびっくり!たぶん、お客さんほとんども初めてなのではないだろうか?観客席は、もちろん桟敷だが、ゆるい段差があって座りやすくなっている。一番うしろには椅子も用意してあった。舞台奥の松の絵が豪華。  さて、お芝居は鈴木新平さん解釈のシェイクスピアヴェニスの商人は現代にもいる、ということを表した作品。私自身はヴェニスの商人は子どものときに名作劇場で読んだくらいでそれでも肉1ポンドを証文で掲げたことと、男装の麗人が見事に裁きを下す、ということはしっかり覚えていたから、やはりこれはインパクトのある作品なんだろう。『子供のためのシェイクスピア』がずっと上演されているけど、本でもシェイクスピアはそれと知らずに読んできている。リア王十二夜ロミオとジュリエットハムレット・・・などなど。ただし、本格的にシャイクスピア劇を見たのは北九州芸術劇場で「オセロー」と四季の「ハムレット」。オセローは字幕だったけど、筋は知っているので違和感なく観れたがハムレットの方はセリフの解釈が非常に難解であった。 そこでヴェニスの商人、だいたい知ってる筋にいろんな話が加わり、おもしろく観ることができた。特に渡辺ハンキン浩二さんのアントーニオは凛々しく迫力があった。彼は事故で長く入院していたせいもあり、非常に貪欲に芝居をしている感覚がある。お芝居をしたい!舞台に立ちたい!という気持ちは役者にとって一番大事な動機なんだろうな〜 魔女が2人、ヴェニスの時代から人間の愚かさをずっと見続けてきてラストでまた戦闘機が舞う戦争の時代を憂い、それでも人間とは素晴らしいと締めくくる。衣装はぎりぎりで作り直したものらしいがとても舞台にあっていた。どちらかというと和風に仕立ててあった? 全くの門外漢だったが少しでもお芝居の裏側を見せてもらい大変貴重な経験をさせていただいた。・・・・でも、やっぱり私は「普通の観客」に戻ります(^^;; ハイ