「広目天の眼 不知火の海」 九州大学50周年講堂

teru10162008-09-14

14時〜 1800円 (劇)池田商会企画 瀧猫亭
豪華な舞台だった。 まるで劇団☆新感線を観ているみたい。 すごい広い舞台(広さがわからないけどどの劇場よりも幅があった) 客席も1000人入るところらしい。 満席とはいかなかったけど結構客入りはあって役者さんもやりがいがあっただろうと思う。 まず1時より善座として九大の森田氏と目黒氏によるトーク。 森田氏はデザインの専門家、大学での講義と箱崎筥松地域の街作りをされている方である。 私も街作りには関わったことがあるので非常に興味深く聞き入った。 箱崎駅周辺のデザインなどへ〜〜〜っという感じで大変おもしろかった。 確かに駅周辺は都会的センス抜群でステキだよね、といつも思っていた。 しかし、まだ広範的に浸透していないところがこれからだなと思わせる。 西小倉(リバーウォーク周辺)とちょっと似ている感じがする。 目黒氏はチルドレンズミュージアムやチルドレンズセンター等、子どもの居場所作りに力を注いでおられる方。 演劇の造詣にも深くて演劇の世界的な歴史から話をされて大変おもしろかった。 教育の場での演劇の地位の低さに嘆いておられたけど、全く同感である。 スポーツに関しては日本の学校はかなり力を注いでいるような気がするのだが、演劇に関しては趣味の領域を出ない。 現に演劇を勉強できる大学は数少ないのである。 福岡にいたっては九州大谷短大だけなのではないだろうか。 さて10分押しで始まった舞台はのっけからミステリーの終演を思わせる話から始まる(実際そうだったのだが) もともと日本歴史は苦手だし、人物の名前もなかなか覚えられない。 だけど、非常に(私でも)わかりやすく、噛み砕いた話でとても入り込むことができた。 瀧本さんの作家力には脱帽である。 彼はまだ若い演劇人であるのだが私は福岡ではベスト3に入る作家・演出家だと思う。 前作品「朱塗り太刀 霧の花」の続編として島津、相良の関わりも描きつつ肥前の竜造寺の話も加えて、実に多彩な話とあいなった。 今回は池田商会の久保さんの役(犬童頼兄)による若き武者の話主体だったが、さまざまな人物関係も大変興味深く観ることができた。 久保さんをはじめ池田商会の面々や多くの客演によってすごい舞台の実現となったと思う。 減点をあげると脚本的にギャグを入れた部分が適切と思われないところもあったのではないかと思う。 配役的にルイスや四天王がお笑い役となるのは必須だったが、竜造寺隆信や島津家久、犬童頼安に寒いギャグは必要でなかったような気がする。 そういう意味では鍋島直茂や赤星統家の徹頭徹尾のリアルな真面目さは好感をもった。 それから武器や帽子、かぶとなどが激しい動きにたえきれず破損することがあり、ちょっと興ざめなところはあった。 衣装の着崩れなども最前列で観劇していたので、目についた。 本当に残念だったが防げなかったものだろうか。 名前や国同士の関係は結構難しい部分があったのだが、話に国同士のあだ討ち合戦だけでなく、頼兄と千代のラブストーリーもあったのがすごくよかった。 時代によらない普遍なものとして、家族の絆であるとか男女の愛であるとかも表現されていたのが私にはとてもうれしかった。 戦や殺人などどんな理由があってもいやなものである。史実としてこういうことがあったことは理解するべきであると思うが、これから先そんな世界にならないことを祈るのみだ。とにかく、1ステージのみの公演にこれだけの熱意をかけたたくさんの役者をはじめ関係者の皆様には感謝をします。お疲れ様でした(*^-^*)