「六畳の狼〜遠すぎた戦場にかけるレマゲン鉄橋〜」 青年センター

teru10162009-03-21

19時〜 500円 UNIT AA
ちらしに「鬼才(?!)切口健が放つ UNIT AA 第3弾」とあったけど、まじでそう思う。 彼は役者としても好きなんだけど、おもしろいものを作るな〜と感心する。 アミカスであった前回公演もユニークで良かった。 戦争物と時代物は敬遠しがちなのだけど、今回の作品は現代からみた戦争の悲惨さを浮き彫りにしていたと思う。 最後におじいちゃんが、「ここはどこだ?こんなもののためにオレたちは戦ったのか?」(うろ覚え)ということを言ったときにかなりショックだった。 あの時代に戦った者たちの後ろにはたくさんの人がいて、その人たちのために死んでいった人間も数知れずなのに、現在の状況はなんなんだ? とは生き残った分隊長ならずとも思うことだろう。 子どもや嫁からもただのボケ老人扱いされて亡くなった間壁六郎太、最後の力で息子に見せたかつての自分の幻影。 それが救いとなった舞台だった。 役者さんの年代に幅があったのがまた厚みを増した要因だったと思う。 おじいちゃん役をした手島さんは以前「藤の牢」で牢番をしたのを見て上手いよね〜と思ったのだけど、今回もそうでした。 実は15分遅刻して行ったのだけど、そ〜っと入ったすぐ前におじいちゃん。 驚くほど亡くなった義父にそっくりで息が止まるかと思った。 義父は1年ほどの戦争経験がある人だったけど何も語らず、いつもプラス思考の人だった。 ほんとは私たちに話したいことは山ほどあったのではないだろうか。 そんなことを考えつつ感慨深い舞台だった。