「富士太鼓」「阿漕」他 大濠公園能楽堂

teru10162009-09-27

12時〜 5000円(頂き物) 九州山本会
薙野さんにお能のチケットを頂いた。 母が仕舞、お謡を習っているので、何度か発表会らしきものは観にいったことがあるのだが、能の舞台はじっくり観たことはない。 大濠の能楽堂も初めて。 住吉能楽殿は演劇の公演で2〜3度行ったことがあるが、観客席は全て桟敷席だったと思う。 しかし、ここ大濠は椅子席なのだ。 最後尾に桟敷があるけれど、あとは全て演劇のホールのように椅子。 これは楽♪ 建物もきれいで、ホワイエからは大濠公園の自然がよく見えて心地よい。 ソファセットもたくさんあって何度かはさまる休憩も快適に過ごせた。 他用があって、開始の12時には間に合わなかったのだけど、1時前に到着。 ちょうど、最初の能「富士太鼓」が始まるところだった。 薙野さんの太鼓のお師匠さんだという白坂保之さんは若くて張り出しがいい。 もっと年配の人を想像していたのでびっくりした。 ミュージカルでいうとオケの役目の太鼓、笛の人はほとんど休みなく演奏をする。 これは大変だろうな〜  太鼓も種類があって、小鼓、大鼓、太鼓の3種。 大きさや音の高さが微妙に違う。 たたくにあわせて「よぉ〜!」とか「ほ〜っ!」とか薙野さんも言ってるんだろうか?(^^;  音にあわせて、シテとかワキとかアイとかたぶん、役柄のことだろうけど、登場して謡って舞う。 謡の内容は全くわからない。 ちらしにあらすじが書いてあるので、かろうじてここはこういう場面かなーと想像するのみ。 子方といって子役の子がいたけど、小学生くらいかな〜 苗字が同じなのでシテ森本哲郎氏の実際の娘なのだろう。 やっぱりこういう伝統芸能は今でも世襲制なのかもしれない。 彼女はずっと中腰で座ったままだったので、最後に立ち上がって歩き出したときに足が痺れていそうにふらふらしていたのはご愛嬌だった。 他にも地謡を謡う人が六人、後見が二人。 結構舞台上に人は多い。 最初や終わりの様式美は美しい、演劇でのカーテンコールに対応するものはなかったけど、はけていって外に出る前に拍手が起こる。 10分休憩を挟んで、狂言「口真似」と仕舞3作。場つなぎの感じだけど、それぞれに見応えがあってよかった。 狂言の太郎冠者は若くて元気があって、内容もわかりやすく笑いが起きていた。 また10分の休憩後、二つ目の能「阿漕」、『阿漕なマネをするな』、とか使うあの阿漕かな?  こちらもあらすじを頭にいれて鑑賞。 なかなかおもしろい。 シテは「山本順之」とあるから山本会一門の人なのであろう、小柄だけど能面がかなりリアルで怖く、迫力があった。 富士太鼓もそうだったけどシテだけが面をつけるのかな? 12時から20分間、「解説」があったのだが、それを見逃したのでいろいろ疑問なことだらけだ。 観客は5〜600入るところに半分くらいかな? 正面席はほとんど埋まっていた。 私は2列目で見たが、非常に見やすくていいポジションだった。 観客で驚いたのは前方のほとんどの客が謡本を持っていて、舞台でなく本を追いかけていること。 コンサートで曲を聴きながら楽譜を見ているようなもんかな・・・ 少なくとも自分もやっている人が多いんだなと感じた。 年齢層は高いけど、中には20代らしき男女もいた。 今後も積極的に見るかどうかはわからないけど、様式の美って心地いいなと感じた今日の公演だった。 前日がvillageだったからなおさらかも(^^;  どっちも好きですが(笑)