「ヒッキー・カンクーントルネード」の旅2010 西鉄ホール

teru10162010-05-30

14時〜 共通チケット9950円  ハイバイ
最強、ハイバイ。 ちょっと考えられない芝居。 岩井秀人自身の経験を元にしたものらしい、そもそも経験とは個別無二のものであって、ひきこもりであっても千差万別であるのだな。 というのは身近に経験者がいたからわかるのです。 だけど自身の経験を舞台で表現するなんて、その事実だけで衝撃的だ。 できるだけ隠しておきたいことだと思うのだけど、表現できるっていうのはやはりそれを克服したからであり、舞台だけみれば軽症であったためかもしれない。 家の中にしかいなくても普通に過ごしていればそこまで重症ではないのかな。 でも15年はかなり長いけど。 小説等でみるひきこもりには病的な部分とか、他への攻撃性なども見られるけど、この主人公トミオはとにかく外と交渉を持てない。 だけどピンポンが鳴ったら対応にでる役目を担っている。 母親も妹も「しょうがないなー」と思いつつもそれぞれの愛情でトミオに接する。 母親と妹の違いは「外に出れるようにする」ことと「このままでいいでしょう」という考え。 母が連れてきた出張お兄さんはトミオのナカマにはなっても現実に引き戻すことはできない。 相談所のクロキさんは強攻策でトミオを外に出すが、失敗する。 血だらけの息子を見る家族の気持ちはそういう経験がなければわからない。 心の病についてはここ数年で増大しているらしいが、そういう現実もふまえて再演が繰り返されてる理由がわかるような気がする。 トミオ役の岩井さんも自然体でよかったのだけど、吉田亮さん(母)もすごく良かった。 実は女じゃない?というくらい女の気持ちがわかっていたと思う。 クロキ役のチャン・リーメイも迫力があった。 ハイバイまた来てほしい。絶対!! これで福岡演劇フェスティバル終了。 いろんな舞台が観れてよかった。 課題はいろいろあるようだけど、また来年に繋げてほしいと切に思った。