「投げられやすい石」 大野城まどかぴあ大ホール舞台上舞台 

teru10162011-02-20

14時〜 2800円 ハイバイ 
岩井秀人作・演出。 ハイバイは北九州で観た「て」が初見。 道具や演出方法が斬新でまた岩井さんのアフタートークを聞いて、すごくファンになってしまった。 ヒッキーカンクートルネードではひきこもりだったという彼の自体験をもとに作られていて痛々しい感じがあったのだけど、今回はまたそれに輪をかけてイタイ作品だった。 ちょっと名の売れた絵描きの佐藤(岩井秀人)とその友人山田(松井周)、恋人の美紀(内田慈) 友達を盛り立てようとする佐藤だがなぜか失踪してしまう。 美紀と結婚した山田に突然佐藤から電話があり会うことに。 佐藤は形相が変わっていた。 大きなキャンバスは抱えているものの、キョドキョドしたしぐさ、しゃべり方、待ち合わせのコンビニで店員(平原テツ)に万引きを疑われ「出せ」と「やってない」を繰り返す。 手を出してきて帽子をひっぺがしたその頭に無数のハゲた部分が。 逃げた2人、山田は恐る恐る会話するも美紀を呼び出そうという佐藤に結婚のことを話せない。 美紀が来て3人でカラオケに。 山田が席をはずしたときに美紀に服を脱いでと迫る佐藤。 拒めない美紀。 山田にも「何をやりたい、なぜ絵を描かない」と迫る佐藤。 自分の描いた絵を見せる佐藤。 最後まで救いのない芝居だったけど、たとえ病気でも深層心理で絵を描き続ける佐藤が、現実優先で絵をやめた山田、優柔不断な美紀と対比して神々しく見えたのは一筋の光だったのだろうか。 岩井さん、元々痩せてはいたけど、なんだか本当に病気みたいにやつれたメイクで大丈夫だろうかとまじで心配した。 またあの頭・・・・十円ハゲにはみえない大きさだったけど、あれで日常生活。。。どうやってるんだろう。。帽子かな。。  山田の冷たさに怒りつつも、自分だったら、昔の友があのような状況だったら、と考えないではいられない。 会場の笑いに乗れなくて笑うのが辛くて。 ほんとにとんでもない人だ、岩井さん。 何隠すこともなく自然体で作品を作っていく、投げかけてくる。 そうそう、投げてきたのは山田との二人で川原のシーン。 客席に向かって石(作り物)を投げる。 「投げられやすい石」他に影響を与えないという意味だろうか。 人間は結局そういう軽い存在だということだろうか。 どっしりと地に根をおろした人間には私もなれそうにないな。。。 最後に、この舞台の作り方ってありでしょうか? 舞台上舞台。